【INDYCAR 開幕戦】スコット・マクロクリンが初優勝…移籍初戦の佐藤琢磨は12ポジションアップの決勝10位

インディカー初優勝を飾った#3 スコット・マクロクリン。
インディカー初優勝を飾った#3 スコット・マクロクリン。全 8 枚

現地2月27日、2022年NTTインディカー・シリーズの開幕戦決勝レースがセント・ピーターズバーグ(米フロリダ州)で実施され、スコット・マクロクリンがインディカー初優勝を飾った。移籍初戦の佐藤琢磨は予選順位から12ポジションアップの10位。

新たなシーズンの幕開け、セント・ピーターズバーグ・ストリートコースでの戦いには26台のマシンが出走した。ポールポジション発進はスコット・マクロクリン(#3 Team Penske/シボレー)、移籍初戦の佐藤琢磨(#51 Dale Coyne Racing with RWR/ホンダ)は予選22位から巻き返しを狙う。

ドライコンディションでの100周レースは、燃費的にギリギリ2ストップでカバーできる、というところに25周経過頃に出たこのレース唯一となるフルコースイエローコーション(全車が隊列スロー走行に)が味付けを加え、各陣営のピット戦略が絡み合うインディカーらしい展開が開幕戦から見られることになっていく。そのなかで最終盤のトップ争いは2台のマシンの接近戦に集約された。

先頭はマクロクリン、これを追うのは昨季王者のアレックス・パロウ(#10 Chip Ganassi Racing/ホンダ)。最後までどう転ぶかわからない緊迫の戦いだったが、マクロクリンが逃げ切り、インディカー初優勝を飾った。

マクロクリンはニュージーランド籍の28歳で、オーストラリアのハコ系トップシリーズで実績を積み重ねたのち、昨季2021年に名門ペンスキー(Penske)からインディカーに自身初のフル参戦というチャンスをつかんだ(2020年にインディカー出走経験1戦あり)。オープンホイールをフルシーズン戦うこと自体が彼にとっては2021年が初だったとされる。そして今回、ペンスキーからのフル参戦2年目の開幕戦で、見事にインディカーでの初ポールから初優勝を成し遂げた。

マクロクリンはチャンスを与えてくれた関係者や、自身のキャリアを支えてくれた人々、そしてチームへの感謝を述べながら、終盤の王者パロウのチャージを「いやあ、大変だったよ」との意を語って振り返った。さらに「燃料のことも意識しなければならなかったし、最後は本当に苦労した。でも、我々は(自分とチームは)それを成し遂げたんだ!」と続け、決してラクではなかった内容での初優勝、その喜びの深さと大きさをうかがわせている。

若き王者パロウは予選10位からの決勝2位。連覇に向けては、まずまずのオープニングレースだったといえるだろう。決勝3位にウィル・パワー(#12 Team Penske/シボレー)が入って、ペンスキー勢は1-3フィニッシュ。4位はコルトン・ハータ(#26 Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian/ホンダ)、5位がロマン・グロージャン(#28 Andretti Autosport/ホンダ)だった。ピット回数的には7位までが2ストップで走り切っている(トップ10で見ても、うち9台が2ストップ)。

琢磨は予選順位から12ポジションアップとなる10位で移籍初戦をフィニッシュ。ポジティブな内容の決勝レースだったといってよさそうだ。

決勝10位 #51 佐藤琢磨のコメント

「Dale Coyne Racing with RWRでの初レースはトップ10フィニッシュとなりました。クルーたちがファンタスティックな仕事をしてくれたと思います。なかなかに難しい週末として始まり、予選でも望んでいた通りのいい戦いをすることはできませんでしたが、レースで少しずつポジションを上げていきました。エキサイティングなスタートで順位を上げ、そこからはすべてのスティントで安定したパフォーマンスを発揮し続けることができました」

「セント・ピーターズバーグでのレースはいろいろなことが起こるのが常でしたが、今年はそうではありませんでしたね。でも、そのなかで我々はレースで最も順位を上げたチームになれたのですから最高です。チームがすごい力を出してくれた結果ですし、第2戦のテキサスがとても楽しみになりました。今週末は(最終的には)とてもいいものとなり、自分自身もチームにうまく溶け込むことができていると感じています」

第2戦は3月20日決勝の日程で、オーバルコースのテキサス・モーター・スピードウェイにて開催される予定になっている(今季は全17レースの予定)。

《遠藤俊幸》

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