【トヨタ ノア/ヴォクシー 新型】3ナンバーへの否定的な一番の理由は“誤解”だった

トヨタ ノア 新型
トヨタ ノア 新型全 8 枚

トヨタから発売された新型『ノア』と『ヴォクシー』は全車3ナンバー化された。その理由について開発担当者に話を聞いた。

全幅1735mmを超えなければ受け入れてもらえる

先代ノア/ヴォクシーは5ナンバー車と3ナンバー車が存在した。その販売状況を振り返ると、「8割がすでに3ナンバー、1735mm幅のクルマで占めていた」と話すのはトヨタ車体開発本部領域長(兼ZH1主査)の黒柳輝治さんだ。

では5ナンバーと3ナンバーの差は何だったのか。「あくまでもデザインだけ。フロントフェンダーを出して、フロントトレットを広げていたが、パッケージ的にはそのメリットは全く活かされてなかった」という。室内の広さをはじめ、リアデザインのスタンスにも反映されていなかったのだ。

そこで、今回のモデルチェンジをきっかけに、「全幅1735mmを超えなければ市場も受け入れてくれるということで、1730mmにこだわって開発した」と述べる。

トヨタ ノア 新型トヨタ ノア 新型

3ナンバーをネガティブに感じる一番の理由

市場のデータ上からはそう読めるが、実際に大丈夫かと不安もあった。そこでユーザーアンケートを実施。その内容は全幅に対する考えや抵抗感などだった。結果は、「3ナンバーをネガティブに感じるお客様の1番は、税金が高いと思われていた。そこはセールスの方にいまの税制上、全幅は関係ないことを丁寧にしっかりと説明していただく。そこでほぼお客様は納得してもらえる」と分析。

そしてもう1つは、「本当にクルマが駐車場などに入らないというお客様が一定数いるのは分かっていた。そこは申し訳ないが、トヨタとしては『シエンタ』や『ルーミー』など“面”でミニバンシリーズを構えているので、そういったクルマをお勧めする形で納得していただく」。そうすることで、「1番のマジョリティであるこのミドルミニバンのお客様に最適なものを出そう、そういった議論で3ナンバー化を実現した」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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