フィスカー『オーシャン』、欧州仕様車の航続は627km…11月から生産へ

ツインモーターは最大出力550hp

17.1インチの回転式ディスプレイ

廃棄された漁網から作られた再生ナイロンを使用

フィスカー・オーシャン(MWC 2022)
フィスカー・オーシャン(MWC 2022)全 13 枚

フィスカーは2月28日、新型EVの『オーシャン』(Fisker Ocean)の欧州仕様車を、スペイン・バルセロナで開幕した「モバイルワールドコングレス(MWC)2022」で初公開した。スペインでのベース価格は、4万1900ユーロ(約530万円)と発表されている。

◆ツインモーターは最大出力550hp

オーシャンはフィスカー初の電動SUVだ。オーシャンには、新開発のプラットフォームとして、マグナが手がけた「FM29」プラットフォームを採用する。また、オーシャンは、欧州のマグナの工場に生産を委託する。マグナでは現在、グローバルブランドに代わって、複数の車両を受託生産している。

オーシャンには、シングルモーターの「スポーツ」や、ツインモーターの「ウルトラ」、「エクストリーム」、発売記念限定モデルの「ワン」などが設定される。エクストリームの欧州仕様車の航続は、WLTPサイクルで最大390マイル(約627km)に到達する見通しだ。

シングルモーターのスポーツの場合、最大出力は275hpを発生する。0~96km/h加速は6.9秒だ。ツインモーターでAWDのウルトラは、最大出力が540hpで0~96km/h加速は3.9秒。同じくツインモーターでAWDのエクストリームは、最大出力が550hpとなり、0~96km/h加速を3.6秒で駆け抜ける。

フィスカー・オーシャンフィスカー・オーシャン

◆17.1インチの回転式ディスプレイ

新開発のセンタースクリーンとUI(ユーザーインターフェイス)を採用する。ダッシュボードの中央には、17.1インチの回転式ディスプレイを配置した。通常走行時には「ポートレートコントロールモード」表示となり、停止時には「ランドスケープハリウッドモード」表示に変更できる。

このランドスケープハリウッドモードは、プレミアムオーディオのオプションと組み合わせて、前席と後席の乗員に没入型の視聴体験を提供するという。オーシャンは、無線アップデートによって、その機能を向上させることができる。

スポーツには、「アースドライブモード」と「ファンドライブモード」がある。ウルトラとエクストリームには、「ハイパーモード」が追加される。エクストリームとワンには、「オフロードモード」が用意される。パフォーマンスと安全性を強化するために、スマートトラクショントルクベクタリングシステムが搭載されている

フィスカー・オーシャンフィスカー・オーシャン

◆廃棄された漁網から作られた再生ナイロンを使用

インテリアには、カーペットにリサイクル素材を活用した。このカーペットには、廃棄された漁網から作られた再生ナイロンを使用している。また、インテリアの素材には、100%ポリカーボネートポリウレタンと100%強化レーヨンバッキングを採用した。さまざまなVOC(ホルムアルデヒドなど)の厳しい化学物質排出規制に適合している。

また、エコスエードも使用された。Tシャツなどのポリエステル繊維、ペットボトル、プラスチックなどをリサイクルした素材も用いられている。ポリエステルのリサイクルでは、従来のガソリンベースのポリエステル製造プロセスと比較して、エネルギー消費と大気へのCO2排出を80%削減することができるという。エコサステナビリティとして、汚染物質の排出とエネルギー消費のレベルは、オーシャンの生産サイクル全体を通じて保証されている。

オーシャンでは、ゴム廃棄物も再利用する。フィスカーは、タイヤの製造中に発生した廃棄ゴムを、埋め立てせずに利用する。リサイクルすることでエネルギーの量を大幅に節約でき、最終的に温室効果ガスの排出を削減できるという。

フィスカーは、オーシャンの生産を2022年11月、マグナの工場で開始する計画だ。米国と一部欧州市場では、年内に販売を開始することを目指す。欧州では、年間6万台の販売を見込んでいる。

《森脇稔》

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