【トヨタ ノア/ヴォクシー 新型】ノアとヴォクシー、立ち位置はどう変化したのか

トヨタ ヴォクシー 新型とトヨタ車体開発本部領域長(兼ZH1主査)の黒柳輝治さん
トヨタ ヴォクシー 新型とトヨタ車体開発本部領域長(兼ZH1主査)の黒柳輝治さん全 8 枚

トヨタはミニバンの『ノア』と『ヴォクシー』をフルモデルチェンジした。この新型からそれぞれのポジショニングに変化があったという。

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ノアとヴォクシーの立ち位置の変化

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トヨタ車体開発本部領域長(兼ZH1主査)の黒柳輝治さんによると、「先代の時代は、カローラ店、ネッツ店、トヨタ店、トヨペット店といった、トヨタのチャネル戦略がしっかりあった。その販売店ごとに、満遍なく売れるクルマにしないといけなかった」と振り返る。

そこから現在はトヨタのチャネル戦略で併売化になったことから、「同じカテゴリーの中では当然、ノアかヴォクシーのどちらか1台でいいという考え方もある。その一方で、ど真ん中をしっかりノアでカバーすることで、ヴォクシーでチャレンジできる環境になったとも捉えられる」と現状を分析する。

その上で、ノアとヴォクシーの立ち位置について、「ミニバン市場は少しずつSUVに浸食されている。また、家族のためにお父さんは我慢して、操安(操縦安定性)とか走りもつまらないけれど、まあしょうがないかと(ミニバンに)乗っていたということも少なからずあった。新型では乗っていても楽しいという性能が出来たので、まずノアで競合を含めた王道をしっかり作る。そして、新しいお客様に向けてヴォクシーはデザイン的に少しチャレンジして訴求出来ないかと、少しエッジを効かせた」と語る。

ミニバンは「ライフステージのクルマ」

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新型ヴォクシーが狙う「新しいお客様像」とは。黒柳さんは、「家族を持つ前の独身で、仲間とどこかに遊び行くイメージ」だという。実は初代ヴォクシーは若く独身のユーザーも多かった。「そういったお客様に新しく市場に入ってきてほしい」と話す。より具体的には「例えば遊びグルマとして、キャンプに友達と行く方々や、CMでイメージしているようにクロスバイク、自転車を乗せて気軽に友達とどこかに行って遊ぶイメージの若者」と説明する。

黒柳さんは、「日本のミニバン市場は少しずつ家族も少なくなりシュリンクしていくので、何かしら手を打って活性化していかないと、維持していくことができない。とはいえミニバンはライフステージのクルマなので、なくなるとは思っていない。ファミリーは絶対いるし、必要とされるカテゴリーなのだが、やはりしっかり市場を大きくしていかないと進化も苦しくなる」と胸中を語る。そういう意味でも、「(ヴォクシーは)ちょっとチャレンジしたデザインでやっている」という。

細部のこだわりに誇りを持って乗る

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このこだわりはエクステリアだけでなくインテリアにも反映された。「ヴォクシーはシートのテクスチャーや縫製のステッチも変えている。これらはデザイナーのこだわりで、世界観をノアとはどうしても変えたい。ユーザーがそういう細かいところに気づいて、ちょっと誇りを持って乗る、そういうイメージを持っている」とのことだ。

では、これまでヴォクシーに乗っていたユーザーはどこへ向かうと想定しているのだろう。黒柳さんは、「我々も意識してやって来たのだが、先代までのヴォクシーユーザーの一定数はノアのS-ZやS-Vグレードに行くだろう。ただしヴォクシーは、歴代のブランド力があるので、先行受注ではヴォクシーにも数多く受注を頂いている。実際のデザインを何も見ずにヴォクシーを注文するというお客さんもいたので、一定数は(ノアとヴォクシーで)別れていくだろう」と述べた。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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