【トヨタ ノア/ヴォクシー 新型】開発者のこだわりはドライビングポジションと、スイッチの配置

トヨタ ノア 新型
トヨタ ノア 新型全 12 枚

トヨタはミニバンのベストセラー、『ノア』と『ヴォクシー』をフルモデルチェンジ。そのキーワードのひとつは“快適・便利・安心”の進化で、中でもドライビングポジションは重要だったという。

より乗りやすい姿勢に

トヨタ ヴォクシー 新型トヨタ ヴォクシー 新型

「開発当初から、プラットホームをはじめ、ユニット、先進装備まで色々手を入れている。もちろん便利装備の“からくり”もそうだが、やはりクルマの開発の1番最初はドライブポジションだ」と話すのは、トヨタ車体開発本部領域長(兼ZH1主査)の黒柳輝治さんだ。

実はドライビングポジションは先代から変更されている。その理由は、「先代がすごく悪いわけではないが、少しアップライト気味に座らせていたので、まず基準のヒップポイントを20mmぐらい下げ、ステアリングコラムを少し傾けることで、より乗りやすい姿勢を取ることにこだわった」という。

それが実現できたうえで良好な視界の確保にこだわった。「ボディ剛性や空力性能、作り方だ。プレスが可能なギリギリのところで(ピラーの)細さを実現している。そこをなんとかやりきれたのが今回のデザインだ」と語る。

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スイッチ類の配置を見直す

もう1つ黒柳さんは、スイッチ類の配置についてもこだわった。例えば、「先代のシートヒータースイッチはカップホルダーを出すと使えない。ステアリングヒータースイッチも覗かないと見えない。そういった快適系のスイッチは全て空調周りに配置した。ステアリングヒータースイッチはど真ん中に置くくらいの勢いだ。そういったことをデザイナーとこだわりながらレイアウトを決めていった」という。

さらにスイッチ系では、パワースライドドアのスイッチのレイアウトも変更し、天井側に配置されている。「先代はステアリングコラムの右下あたりに置かれていたが、体を傾けないと見えないので、ルーフに配置した」。さらに、「例えばお父さんが運転して、お母さんが助手席にいたとして、そのときに子供が荷物を運んできて両手がふさがっていた時に、お母さんが開けてあげたいと思っても、お父さんが気付かないと開けられない。そこでお父さんにボタンを押してといわなくても、お母さんがすっと自然な動線で操作が出来るようにした。そういうところも少しずつこだわった」。

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そのほかにも、ドアトリムにあるボトルホルダーも少し上に配置された。「いままでは体の姿勢が崩れるような位置(下の方)にあったが、ステアリングを持ちながらでも取れる位置に見直した」。このように、「使いやすい、扱いやすいというワード。つまりは便利、快適はやはりファミリーカーである以上、少しずつでもやれることはやった」とコメントした。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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