ハースF1チーム、ロシアの選手に代えてケビン・マグヌッセンを起用

2月、バルセロナテストでの「ハースVF-22」(#9 ニキータ・マゼピン)。
2月、バルセロナテストでの「ハースVF-22」(#9 ニキータ・マゼピン)。全 7 枚

F1参戦チームの「ハース」(Haas)は3月9日(日本時間10日)、ロシアのニキータ・マゼピンに代わる今季レースドライバーとしてケビン・マグヌッセン(デンマーク)の起用を発表した。マグヌッセンは2020年以来のチーム復帰となる。

ロシアによるウクライナ侵攻はモータースポーツ界にも様々な影響を及ぼしつつあるが、なかでもハースF1チーム(チーム国籍はアメリカ)の活動に与えるそれは大きなものになっている。まず3月5日、ハースはチームのタイトルスポンサーだったロシアのウラルカリ社とレースドライバーだったロシア出身選手のニキータ・マゼピン、両者との契約解除を発表した(マゼピンの父親はウラルカリ社の“重鎮”とされる人物)。

マゼピンは昨季、ハースからF1デビューを飾ったが、そのレースシートを自身2年目の開幕を目前にして失う格好になった。いくつかのF1開催国で、自国内のレースにロシアの選手が出場することを認めない方針が明示されるなどしており、マゼピンの今季フル参戦は難しいものになるとみられていたなか、予想通りと言うべきだろう、国際世論の観点も含めてのチームの“判断”になったと思われる。

2月23~25日、今回の軍事侵攻が始まった時期にF1はスペイン・バルセロナで今季第1回プレシーズンテストを開催中だったが(マゼピンも参加していた)、その際にもハースはテスト期間の途中からウラルカリ社のロゴを外し、ロシア国旗をイメージさせるマシンカラーリングを取りやめるなどの対応を行なっていた。

マゼピンの後任については彼の契約解除と同時には発表されなかったが、3月9日にケビン・マグヌッセン(デンマーク、29歳)の起用が発表された。マグヌッセンは2020年までハースでレースドライバーを務めていた選手で、2シーズンぶりのチーム復帰、同じく2シーズンぶりのF1復帰というかたちになる(彼は今季後半から参戦予定となっているプジョーのWEC=世界耐久選手権参戦チームのドライバーに名を連ねるなどしていたが、それらは“円満離脱”となった模様)。

なお、ハースのもうひとりのレースドライバーはミック・シューマッハ(ドイツ、3月22日で23歳)だ。現役のルイス・ハミルトンと並ぶF1最多タイのタイトル獲得回数(通算7回)を誇る“スーパーレジェンド” ミハエル・シューマッハの息子で、今季がF1参戦2年目になる(昨季もハースからの参戦)。また、ハースは10~12日の第2回プレシーズンテスト(バーレーン)ではリザーブドライバーのピエトロ・フィッティパルディも走らせる方針を明らかにしている。

F1側が「現状では開催不可能」としていたロシアGPについては、その後、さらに「ロシアGPのプロモーターとの契約を終了した。今後、ロシアでレースが開催されることはない」という声明が“上書き”されている。今季のみならず、将来的にもF1ロシアGPの開催は消滅することとなった。

F1ロシアGPは2014年に同年の冬季五輪開催地でもあったソチで初開催され、以降、同地での開催が続いてきていた。予定では今季がソチでの最終開催となり、来季2023年からはサンクトベテルブルクに開催地が移る計画になっていたが、それも霧消することとなっている。

F1は現地10日から今季第2回のプレシーズンテストに入る(12日まで)。舞台は開幕戦バーレーンGP(18~20日)の開催コースへと移り、各チームの今季型ニューマシンが“さらなる真の姿”へと変わる(近づく)ことなども予想され得る、注目の開幕前最終合同テストとなる。

《遠藤俊幸》

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