新型コロナウイルスの感染者数を聞いて一瞬耳を疑ったが、「ゼロコロナ政策」を徹底する中国であれば、都市封鎖(ロックダウン)もやむを得ないのだろう。
中国本土の3月12日の感染者が3393人に増加し、比較できる2020年3月末以降で最多。翌13日も2343人と過去2番目に多かったそうだ。ちなみに、14日の日本国内での新たな感染者数は3万2471人。このうち東京都は1月17日以来、5000人を下回り4836人だったという。
きょうの日経などが報じているが、中国では新型コロナの感染拡大を受け、広東省深圳市や自動車産業が集積する吉林省長春市などで、事実上のロックダウンとみられる厳しい行動制限が始まり、トヨタ自動車が、吉林省長春市にある第一汽車集団との合弁工場の稼働を一時停止することを決めたという。
この工場では『RAV4』などを生産しており、年間生産能力は約22万台。長春市では、必要不可欠な業務以外の営業の休止、住民に不要不急の外出禁止を命じており、工場がいつまで停止するかは未定としている。
また、米グーグルや米アップルのスマートフォンなどを手がける鴻海の深圳工場の稼働も一時停止したほか、セイコーエプソンもプリンターなどを生産する2工場を停止。第一汽車集団は独フォルクスワーゲン(VW)などとの長春の合弁工場も停止するとの報道もある。日経によると「現時点では多くの企業が生産停止の影響は限定的とするが、先行きは見通しにくくなっている」とも伝えている。
新型コロナに半導体不足、サイバー攻撃やロシアのウクライナ侵攻などで、このところ、カラスの鳴かぬ日はあれど、工場停止や減産のニュースが流れぬ日はないようで、企業業績への影響が心配になる。

2022年3月15日付
●ウクライナ、露と4度目停戦協議、15日続行か、キエフ、再び攻撃(読売・1面)
●デンソー情報が一部流出、サイバー攻撃再び標的に(朝日・11面)
●電機連合ベア1500円以上へ、春闘統一交渉獲得見通し(朝日・11面)
●蓄電池生産目標設定へ、政府材料確保支援も拡充(毎日・7面)
●ブリヂストン露工場を停止(毎日・7面)
●テスラ、1万台の改善対策届け出(産経・26面)
●トヨタやスマホ生産影響、中国、コロナ急拡大で工場停止(日経・1面)
●円安進行、一時118円台に(日経・1面)
●調達網維持へ取引先支援、日産、人員派遣、ダイハツ、支払い前倒し、コロナ長期化で(日経・3面)