新連載[システム・メイク術]画質にこだわるなら?…パナソニック・ストラーダ

パナソニック・ストラーダ CN-F1X10BHD
パナソニック・ストラーダ CN-F1X10BHD全 7 枚

愛車のオーディオシステムを発展させようと思ったとき、その発展の形はさまざま有り得る。当特集では、その1つ1つについてメリットや楽しさのポイントを明らかにしようと試みている。まずはもっとも基本的な形である「内蔵パワーアンプシステム」について考察している。

『パナソニック・ストラーダ』は、累計売り上げ300万台を優に突破している定番ナビ!

ところで「内蔵パワーアンプシステム」とは、メインユニットに搭載されている内蔵パワーアンプにてスピーカーを駆動するというシステムだ。つまり、メインユニットとスピーカー、この2つがあればシステムは完成される。

なおこのようにシンプルなスタイルであるがゆえに、「メインユニットに何を使うか」で、できることや最終的なサウンドクオリティが変わってくる。

なので当特集ではまず、各社の機種ごとでどんな「内蔵パワーアンプシステム」を構築できるのかを検証している。これまでは、カロッツェリアの『楽ナビ』、ケンウッドの『彩速ナビ』を核とするときの「内蔵パワーアンプシステム」のポテンシャルについて説明してきた。それに引き続き今回は、パナソニックの定番ナビシリーズ、『ストラーダ』を用いて構築する「内蔵パワーアンプ」システムについて考察していく。

さて、まずは『ストラーダ』の基本的なプロフィールを紹介しておこう。『ストラーダ』シリーズは、2003年に初登場し、以来、さまざまな“業界初”となる新機能を盛り込みながら常に進化を遂げてきた。

その歴史を振り返ってみよう。“業界初”となるものとしては例えば、2006年に市販AV一体型ナビとして初めて地デジチューナーを標準装備し、2009年にはハイビジョンに対応したワイドXGAモニターを初搭載した。また2013年には初めて準天頂衛星「みちびき」に対応し、2014年にはブルーレイディスクプレーヤーを初搭載した。なおブルーレイの再生が可能なAV一体型ナビはいまだ『ストラーダ』をおいて他にはない。

売り上げも順調に伸ばしてきた。2007年に累計100万台を突破し、2011年に200万台を超え、2017年には300万台まで数字を伸ばした。

カーオーディオメインユニットとしてお薦めなのはズバリ、10V型の2機種!

続いてはラインナップを紹介していこう。現在販売されているラインは計5つある。上から順に『Fシリーズ(2021年モデル、カッコ内は各シリーズの最新モデル、以下同様)』、『RXシリーズ(2019-20年モデル)』、『HA/HEシリーズ(2021年モデル)』、『RA/REシリーズ(2020年モデル)』、『Eシリーズ(2021年モデル)』、以上だ。

なお、大画面モデルが良いとなれば選択肢は『Fシリーズ』に絞られる。それ以外はすべて7V型機だ(200mmワイドモデルと180mmモデルとがある)。ちなみに『Fシリーズ』の最新モデルは10V型と9V型の2タイプがあり、ともにモニターがフローティング構造となっている(フローティング構造を初めて採用したのも『ストラーダ』だ)。そして装着可能な車種数は現在、470車種以上とアナウンスされている。2DINスペースを確保できる車種であればほぼすべてに取付可能と言って良い。

さて、魅力的な「内蔵パワーアンプシステム」を組めるのはズバリ、『Fシリーズ』だ。ちなみにいうとベーシックラインである『Eシリーズ』まで全モデルがBluetoothに対応しているので、その点ではすべての機種がメインユニットとして利を放つ。しかしAV能力が総合的に高いのは『Fシリーズ』だ。

さらに言うとその中でももっともお薦めなのは、3機種展開されている『Fシリーズ』の上位2機種、『CN-F1X10BHD』(実勢価格:22万円前後、税込)と『CN-F1X10HD』(実勢価格:20万円前後、税込)、この2つだ。これらをお薦めする理由は主には2点ある。

1点目は、「有機ELモニターが採用されているから」だ。なお市販AV一体型ナビで有機ELモニターが初めて搭載されたのも『ストラーダ』だ。そして今も『ストラーダ』は、それを搭載する唯一の存在だ。で、その画質の美しさは他社の他モデルと比べて頭1つ抜けている。機会があればぜひ販売店の店頭で確認してほしい。観れば納得するはずだ。

『Fシリーズ』の上位2機種は、サウンドチューニング能力も充実!

そして上位2機種を推すもう1つの理由は「サウンドチューニング機能が充実しているから」だ。フロントスピーカーのマルチ制御はできないものの、「タイムアライメント」機能と「サブウーファー出力」を搭載している(9V型モデルは「サブウーファー出力」を非搭載)。将来的なサブウーファーの搭載を視野に入れるなら、上位2機種が断然アドバンテージを発揮する。

とはいえ、『CN-F1D9HD』(実勢価格:14万円前後、税込)にも利点がある。まずはこの価格で9V型のナビを手に入れられること自体が魅力だ。また当機はBluetoothに対応し、HDMI端子も備え、ハイレゾ音源の再生も可能だ。

ちなみに『ストラーダ』は2021年モデルよりプラットフォームが刷新され操作性がさらに向上した。また地図もより見やすく文字も読みやすく改良されている。それらは当機にも反映されている。というわけで、サブウーファーの導入が視野に入らずリーズナブルで使いやすい大画面モデルが欲しいと思ったら、当機は格好のターゲットとなる。

ただし総合力で言うと、やはりお薦めは10V型の2機種だ。なおこの2機種間での違いはブルーレイディスの再生が可能か否か、この1点だ。もしも家庭の映像環境がブルーレイ化されている場合には『CN-F1X10BHD』を選び、そうでなけらばDVDモデルが向いている。

ちなみに『RXシリーズ』もブルーレイの再生が可能だ。この点にこだわりつつ手頃な機種が良いと思ったら『RXシリーズ』も候補になり得る。そして同シリーズはHDMI端子も装備し「サブウーファー出力」も備えている。AV能力はなかなかに優秀だ。

今回は以上だ。次回も「内蔵パワーアンプシステム」についての具体的な考察を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

“画質”にこだわるならコレ!? 詳説「システム・メイク術」Part3『パナソニック・ストラーダ』の場合

《太田祥三》

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