ポルシェ、20年前の 911 をカスタム…1台限り、ポルシェクラブオブアメリカのために

2009年の『911スポーツクラシック』がモチーフ

ダックテールやダブルドームルーフを採用

内装にブラックとスレートグレーのレザーで織られたペピタ柄

ポルシェ 911 クラシック・クラブクーペ
ポルシェ 911 クラシック・クラブクーペ全 10 枚

ポルシェは3月21日、『911クラシッククラブクーペ』(Porsche 911 Classic Club Coupe)を発表した。

911クラシッククラブクーペは、エンジンが空冷から水冷に変わった最初の『911』、1998年式の『911カレラ』(996タイプ)をフルレストアし、カスタマイズした1台だ。世界最大の自動車クラブのひとつ、「ポルシェクラブオブアメリカ」(PCA)のための、1台限りのプロジェクトになる。

◆2009年の『911スポーツクラシック』がモチーフ

ポルシェの「Sonderwunsch (特別な願い)」プログラムに基づいて、911クラシッククラブクーぺではさまざまな要素を取り入れて、この1台限定モデルの最終的な外観を決定した。デザインに最も大きな影響を与えているのは、2009年に発表された『911スポーツクラシック』だ。「タイプ 997」の技術に、1972年の名車『911カレラRS 2.7』のダックテールスタイルの固定式リアスポイラー、そして『カレラ GT』スタイルの湾曲したダブルドームルーフを組み合わせていた。

今回の911クラシッククラブクーペでは、ベース車両に2006年まで生産されていた 996タイプが選ばれた。「ポルシェ・クラシック」が取り扱うモデルの中で、最も新しい911が996タイプだ。「993」、「964」、「G」モデル、「F」モデルと比較すると、ポルシェの旧車ファンの注目度は高くないという。そこで、911クラシッククラブクーペによって、ポルシェは世界中のポルシェコミュニティに、996を注目してもらう機会を提供することを目指した。

ベース車両として使っても惜しくないものを手に入れるために、ポルシェクラブオブアメリカは保存状態の悪い1台を探していた。その結果、最初の996世代の1998年式「911カレラ」が選ばれた。走行は可能だが、その全体的な状態はあまり良くなかったという。

ポルシェ 911 クラシック・クラブクーペポルシェ 911 クラシック・クラブクーペ

◆ダックテールやダブルドームルーフを採用

世界最大の自動車クラブが目指したのは、「熱狂を生む唯一のものを作る」という高い目標だった。この目標を目指すにあたって、尽力したのが、ポルシェのデザイナーのグラント・ラーソン氏だ。ラーソン氏は、今回のプロジェクトのインスピレーションの源になった 911スポーツクラシック(タイプ997)を設計しており、この仕事に最適といえる人物。ラーソン氏は、プロジェクトチームと一緒に、さまざまな車両仕様やカラーコンセプトを緻密にスケッチに表現した。

ダックテールやダブルドームルーフなど、エクステリアは911スポーツクラシックを踏襲。同時に 『911 GT3』 (タイプ 996)にインスパイアされたエアロダイナミクスやフックスホイールを採用した。

カラースキームには、新開発のスポーツグレーメタリックに、ライトスポーツグレーのダブルストライプ、PCAクラブブルーのファインライン、そして「Classic Club Coupe」のロゴを施したサイドデコレーションを組み合わせた。また、ステンレス製のエントランスストリップルトリムにもロゴが施されている。

ポルシェ 911 クラシック・クラブクーペポルシェ 911 クラシック・クラブクーペ

◆内装にブラックとスレートグレーのレザーで織られたペピタ柄

ドアトリムパネルとシートセンターには、ブラックとスレートグレーのレザーで織られたペピタ柄が採用された。この編み込みレザーを、ポルシェは911スポーツクラシックで初めて採用している。911クラシッククラブクーペでは、斜めに走る生地を使ったぺピタルックが採用されている点、クラブブルーのトリムステッチがクラシックな印象を和らげている点が新しい。

当時の996に標準装備されていた3本スポークのステアリングホイールも改良され、ホイールリムと12時位置のマーキングのトリムステッチには、クラブブルーの糸とレザーが使われた。また、ダッシュボードの「911 Classic Club Coupe No. 001/001」のバッジが、1台限定モデルであることを示している。

ブレーキキャリパーは、ハイグロスのブラックで仕上げられており、Porscheのロゴはクラブブルーで描かれた。また、シャシー、ドライブトレイン、ブレーキは、タイプ996の911 GT3のものを使用した、としている。


詳細写真 https://response.jp/article/2022/03/28/355676.html

《森脇稔》

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