メルセデスAMG GTに734馬力のサーキット専用車、「GTトラックシリーズ」…世界限定55台

メルセデスAMG GTブラックシリーズ用のV8ツインターボを強化

カーボン製パーツで車両重量は1400kgに軽量化

専用ステアリングホイールとディスプレイユニット

メルセデスAMG GT トラックシリーズ
メルセデスAMG GT トラックシリーズ全 10 枚

メルセデスAMGは3月23日、メルセデスAMG『GTトラックシリーズ』(Mercedes AMG GT Track Series)を欧州で発表した。メルセデスAMG史上、最も強力なカスタマースポーツカーになる。

写真:メルセデスAMG GTトラックシリーズ

◆メルセデスAMG GTブラックシリーズ用のV8ツインターボを強化

メルセデスAMG『GTブラックシリーズ』用の4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを、さらに強化した。モータースポーツ用インジェクターと専用のエンジンECUにより、最大出力はプラス4hpの734hp、最大トルクはプラス5kgmの86.6kgmを獲得する。

トランスミッションは6速シーケンシャルを組み合わせた。調整可能なディファレンシャルを備えたヒューランド製の6速シーケンシャルトランスミッションが、パワーをリアアクスルに伝達する。

サスペンションには、4段階に調整可能なビルシュタイン製ダンパーを採用した。サーキットの特性に合わせたセッティングが可能で、車高も調整できる。スタビライザーも個別に調整可能とした。

◆カーボン製パーツで車両重量は1400kgに軽量化

ボンネットやフェンダー、リアゲート、リアバンパーはカーボンファイバー製とし、車両重量は1400kgに抑えられた。フロントのカーボン製フェンダーに設けられたルーバーは、より高いダウンフォースを可能にする。リアのブレーキを効果的に冷却するために、シルには冷却エアダクトも組み込まれる。リアバンパーには、ダブルディフューザーとホイールアーチエアアウトレットが付く。

フロントは、ラジエーターへの空気の流れを確保するAMG専用グリルが特徴だ。高いダウンフォースを追求したフロントスプリッターは、GTトラックシリーズ専用に開発された。レーシングリアウィングは角度調整できる。

大きな開口部を備えた専用のボンネットは、エンジンルームからの熱風を導き、全体的なダウンフォースを増加させると同時に、エンジンの冷却に貢献する。

◆専用ステアリングホイールとディスプレイユニット

足元には、鍛造の18インチホイールにレース用タイヤを組み合わせた。レース用のトラクションコントロールとモータースポーツABSが採用されており、それぞれ12段階に調整できる。ブレーキローター径は、フロントが390mm、リアが355mm。ブレーキバランス調整用のブレーキビームを装備した。カーボン製ブレーキエアダクトとブレーキエアラインは、高性能ブレーキシステムの冷却を支援する。

インテリアには、ハイテン鋼を使用したロールケージを組み込む。5点式の安全ハーネスとバケットシートを採用した。その結果、ドライバーセーフティセルは最新のFIA(国際自動車連盟)基準を満たす。強力なモータースポーツ消火器システムとドライバーセーフティネットも装備した。ルーフには脱出用ハッチが設けられた。

専用開発されたステアリングホイールには、幅広い調整機能が付く。ペダルも調整可能で、ドライバーの体格に合わせて調整できる。カーボンとマット仕上げのダッシュボードには、ボッシュ製のドライバーディスプレイユニットが装備された。さらに、モータースポーツ向けのデータログシステムが組み込まれる。これにより、ラップタイムなどの記録が可能に。GTトラックシリーズは、新開発のシステムを搭載した最初の車のひとつになる。

なお、GTトラックシリーズは、メルセデスAMGの創業55周年に合わせて、世界限定55台を生産する予定、としている。

《森脇稔》

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