長万部-小樽間の廃止前倒しはJRの支援次第…根室本線富良野-新得間と留萌本線の廃止は早期に

函館本線小樽~塩谷間を行く2021年の特急『ニセコ』。2021年9月12日。
函館本線小樽~塩谷間を行く2021年の特急『ニセコ』。2021年9月12日。全 3 枚

北海道小樽市の迫(はざま)俊哉市長は3月31日に開かれた定例会見で、3月26日に余市町、北海道とともに行なった3者協議で事実上決まった函館本線長万部~小樽間のバス転換について、記者の質問に答えた。

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会見の冒頭、迫市長は、「100年以上にわたって、地域の生活を支えてきた鉄道を断念せざるを得ないことは、大変重い判断でした」と述べた上で、バス転換後は利便性の確保に努めていく姿勢を示し、通勤・通学時の便数確保を念頭に北海道とバス事業者との協議がしっかり行なわれることを要望した。

また、今回の結論を報告するための住民説明会を4月下旬に開催する意向も示し、今後、北海道からさまざまな案が示されてきた段階で、利便性の確保をテーマにした住民説明会を開きたいとした。

今後の焦点となる鉄道廃止の前倒しについては、改めて後志ブロック会議での協議が必要という認識を示したが、前倒しされる分、JR北海道の負担が軽減されることと引換えに「JR北海道からなんらかの支援が受けられるという見通しがあれば、小樽市としても地域住民の皆さんのご理解をいただいて、前倒しを検討するということは、選択肢としてはあり得ると考えています」と述べ、条件付きで容認する姿勢を示した。

一方、JR北海道は4月1日、2022年度の事業計画を発表しているが、輸送密度が200人/日未満のいわゆる「赤線区」のうち、留萌本線(深川~留萌)、根室本線富良野~新得間について「早期の鉄道事業廃止及びバス転換を目指す」としている。

根室本線については、すでに沿線自治体がバス転換の方針を固めているが、留萌本線については沿線の留萌市、沼田町、秩父別(ちっぷべつ)町、深川市で温度差があり、存廃の方針は依然、不透明だ。

《佐藤正樹》

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