ロールスロイス初のEVは2ドアクーペ『スペクター』、2023年市販化へ…最新プロトタイプ

ロールスロイス独自のアルミ製アーキテクチャ

新しいフードマスコットを最初に採用するスペクター

ロールスロイス史上最も空力性能の高い量産モデルに

ロールスロイス・スペクター のプロトタイプ
ロールスロイス・スペクター のプロトタイプ全 10 枚

ロールスロイス(ロールス・ロイス・モーター・カーズ)は3月30日、2023年に市販予定のブランド初のEV『スペクター』の最新プロトタイプの写真を公開した。スペクターは、大型ボディの2ドアクーペEVとなる。

写真:ロールスロイス・スペクター のプロトタイプ

◆ロールスロイス独自のアルミ製アーキテクチャ

ロールスロイスは2030年までに、すべての製品を電動化する目標を掲げている。スペクターは、この目標の実現に向けて、重要なモデルに位置付けられる。スペクターは現在、北極圏から55kmのスウェーデン・アリエプローグにおいて、冬季テストに取り組んでいる。市販に向けての開発テストの25%が終了したことになるという。

スペクターには、ロールスロイス独自のアルミ製アーキテクチャが採用される。このアーキテクチャは2017年、『ファントム』で最初に採用された。設計の拡張性と柔軟性を持つスペースフレーム構造で、それ以来すべてのロールスロイス車に採用されている。『カリナン』や『ゴースト』などの内燃エンジ搭載モデルだけでなく、異なる種類のパワートレイン搭載車にも使えるという。

スペクターのスタイリングに関して、デザイナーは、『ファントムクーペ』をはじめ、ロールスロイスの過去のクーペを参考にした。その結果、スペクターは、ファストバックの大型クーペとする方向が決められた。また、ファントムクーペの重要なデザイン要素として、ロールスロイスが何十年にもわたって継続してきた象徴的なスプリットヘッドライトを受け継いでいる。また、スペクターのホイールサイズは、23インチ。ロールスロイスによると、1926年以降では、23インチのホイールを装備した最初のクーペになるという。

ロールスロイス・スペクター のプロトタイプロールスロイス・スペクター のプロトタイプ

◆新しいフードマスコットを最初に採用するスペクター

ロールスロイス伝統のフードマスコットが、「スピリット・オブ・エクスタシー」だ。1911年2月6日にロールスロイスの知的財産として登録された。それから111年後の同じ日に、ロールスロイスはブランド初の量産EVのスペクターのボンネットを飾るために、スピリット・オブ・エクスタシーのデザイン変更を発表した。

女性の像はより低く、よりダイナミックに変更された。20世紀初頭にチャールズ・サイクスが描いたスケッチに近づいているという。新しいスピリット・オブ・エクスタシーの高さは82.73mmと、従来の100.01mmに対して、およそ20mm低い。車両のエアロダイナミクス性能に配慮したデザインを採用している。

また、従来のスピリット・オブ・エクスタシーは、両足をまっすぐにし、腰を前に傾けていた。一方、新しいスピリット・オブ・エクスタシーは、片足を前に出し、体を低くし、視線は前方をまっすぐに見据えている。

ロールスロイス・スペクター のプロトタイプロールスロイス・スペクター のプロトタイプ

◆ロールスロイス史上最も空力性能の高い量産モデルに

新しいスピリット・オブ・エクスタシーは、ブランド初の量産EVのスペクターの優れた空力特性に貢献しているという。スペクターの初期プロトタイプの前面空気抵抗を示すCd値は0.26。ロールスロイス史上、最もエアロダイナミクス性能の高い量産モデルになるという。この数字は、2022年に取り組むテストプログラムによって、さらに改善されることが予想されるという。

スペクターは2023年の第4四半期(10~12月)、市場投入される予定だ。ロールスロイスは2030年までにすべての製品の電動化を目指しており、スペクターがその第一弾に位置付けられる。

《森脇稔》

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