欧州新車販売が2年ぶり減少、日本メーカーはトヨタなど3社が増加 2022年第1四半期

EVスポーツのタイカンが好調なポルシェは21.7%増

ステランティスではDSブランドが回復

アルピーヌは73.7%増と大きく増加

トヨタブランドは1.1%増と2年連続で増加

マツダとホンダが回復

トヨタ・ヤリス・ハイブリッド 新型(欧州仕様)
トヨタ・ヤリス・ハイブリッド 新型(欧州仕様)全 15 枚

ACEA(欧州自動車工業会)は4月20日、2022年第1四半期(1~3月)の欧州全域(EU+EFTA+英国の全30か国)の新車販売結果を発表した。総販売台数は275万3256台。前年同期比は10.6%減と、2年ぶりに前年実績を下回った

◆EVスポーツのタイカンが好調なポルシェは21.7%増

5つの主要国では、ドイツが62万5954台を販売し、前年同期比は4.6%減と3年連続のマイナス。フランスは前年同期比17.3%減の36万5360台と、2年ぶりのマイナスとなった。イタリアは33万8258台で、前年同期比は24.4%減とマイナスに転じた。スペインは11.6%減の16万4399台と、4年連続で前年実績を下回った。英国は41万7560台にとどまり、前年同期比は1.9%減と減少傾向にある。

主要8社の販売実績は、首位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年同期比15.4%減の65万5383台と、4年連続で前年実績を下回った。このうち、VWブランドが19.9%減の26万6883台と、4年連続で減少した。アウディブランドも、3.3%減の15万0329台と、引き続き減少する。ポルシェは2万2289台を販売。前年同期比は21.7%増と、2桁増を維持した。EVスポーツの『タイカン』の販売が伸びている。

◆ステランティスではDSブランドが回復

2位はPSAグループとFCAの合併で誕生したステランティス。第1四半期実績は、前年同期比21.7%減の52万3977台と後退した。その内訳は、プジョーが24.2%減の16万3096台と2年ぶりの前年割れ。シトロエンも23.6%減の9万6959台とマイナスに転じた。オペルは11万0691台を売り上げたものの、前年同期比は16.5%減と減少傾向。DSブランドは、前年同期比18.5%増の1万1693台と回復を果たした。

アルファロメオは、前年同期比20.3%減の5194台と減少傾向。ランチア(クライスラーを含む)は、17.2%減の1万0777台と減少に転じた。フィアットブランドは、25.6%減の9万6059台と後退。ジープブランドは、18.8%減の2万8404台と、2年ぶりに前年実績を下回った。

◆アルピーヌは73.7%増と大きく増加

3位はヒュンダイグループで、前年の5位から上昇した。第1四半期は26万9350台を売り上げ、前年同期比は21.3%増と、プラスに転じた。

ルノーグループは4位と、前年の3位から後退した。その販売台数は24万2549台で、前年同期比は6.9%減と3年連続のマイナスだった。低価格のダチアブランドは、16.9%増の10万3519台と2年連続のプラス。主力のルノーブランドは、19.2%減の13万7916台と、減少傾向にある。アルピーヌは、73.7%増の646台と大きく伸びた。

5位は、BMWグループ(MINIを含む)で、前年の4位から順位を下げた。第1四半期は、20万1541台を販売。前年同期比は11.1%減とマイナスに転じた。BMWブランドは14.1%減の15万6824台と後退。MINIブランドは1.2%増の4万4717台と、2年連続で前年実績を上回った。

◆トヨタブランドは1.1%増と2年連続で増加

6位は引き続きトヨタグループ(レクサスを含む)。第1四半期は19万6367台を販売。前年同期比は0.1%増と、2年連続で増加した。19万6367台のうち、トヨタブランドは1.1%増の18万6128台と2年連続のプラス。一方、レクサスブランドは14.3%減の1万0239台と、2年連続で前年実績を下回った。

7位は、メルセデスベンツ(スマートを含む)。その販売台数は16万3599台で、前年同期比は11.0%減と4年連続のマイナスとなった。ブランド別では、メルセデスベンツが10.5%減の15万7014台と減少傾向。スマートも21.0%減の6585台と、2年ぶりに前年実績を下回った。

8位はフォードモーター。第1四半期は13万2538台を販売した。前年同期比は15.4%減と減少が続く。

◆マツダとホンダが回復

この他の日本メーカーでは、日産が5万7364台にとどまり、前年同期比は26.2%減と減少傾向。マツダは8.9%増の3万6955台、ホンダは33.5%増の1万8534台と、回復を遂げた。三菱は16.6%減の1万4010台と、3年連続のマイナスだった。

2021年の欧州全域(EU+EFTA+英国の全30か国)の新車販売台数は1177万4885台。前年比は1.5%減と、2年連続で前年実績を下回った。これは、半導体不足が生産に影響を与えたため、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. 日本にはないアバルトの高性能SUV、『パルス アバルト』が大胆イメチェン!
  4. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  5. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る