メルセデスの新型ミニバン『Tクラス』の意外なライバル…アンケート結果

メルセデスベンツ Tクラス
メルセデスベンツ Tクラス全 21 枚

業界、完成車メーカーレベルでの提携やプラットフォームの共有化が進み、時代の変化を感じるところだが、メルセデスベンツが発表した新型ミニバンの『Tクラス』はルノーとの提携によって生まれた新型ミニバンだ。

[写真:メルセデスベンツ・コンセプトEQTほか]

自動車ニュースサイト『レスポンス』のアンケートでは、このTクラスについて、ズバリ、国内でライバルとなる車種、国内での実力(市場での成否)について読者に聞いてみた。なかなか興味深い結果がでたようだ。

ライバル車として挙がった名前は、トヨタ『アルファード&ヴェルファイア』が約半数と圧倒的だ。メルセデスベンツのブランドから見れば、オーナー層として意識しているのはこのクラスの車ということだろう。次に多数意見を占めたのはトヨタ『ノア&ヴォクシー』だが、割合としては約7%といきなり一桁パーセントとなる。

トヨタ・アルファードトヨタ・アルファード

Tクラスはメルセデスベンツとしては新規開拓といってもいいミニバン市場への参入なので、欧州ではむしろルノー『カングー』やシトロエン『ベルランゴ』、プジョー『リフター』が狙うファミリー層を意識しているはずだが、ボディサイズは確かにアルファードに近い。日本において駐車場確保のハードルは低くないので、全長、全幅、全高は意外と大きな問題になる。国内ではアルファード(ヴェルファイア)が車格的にもよきライバルになると読者は見ている。マツダ『CX-8』と答えた人もいた。

だが、カングーやリフター、さらにホンダ『ステップワゴン』、日産『セレナ』がライバルになると答えた人もいる。車種ごとの得票数ではすくないが、例えばカングー、ベルランゴ、リフターを合計すると12%ほどとアルファード&ヴェルファイアに次いで2位の得票となる。

ライバルに挙げられた車種が、Tクラスが国内で闘う市場と判断するなら、セレナやステップワゴンからアルファード&ヴェルファイア・クラスまでミニバン市場を網羅する。つまり、ライバルは多いが、それだけ潜在的な商品力、カバー範囲が広いモデルと見なすこともができる。

では、Tクラスは日本市場で成功するのだろうか。Tクラスの「勝ち負け」(Q2)の結果は、「勝ち」(「強い」と回答)と答えた人は26%。およそ1/4ちょっとがTクラスの勝ちと見た。「引き分け」(「どっちかなあ」)判定は36.5%。「負け」(ちょっとは善戦するだろうが…」)とした人が37.5%だった。

過半数ではないが、Tクラスは国内ライバル車に勝てないと見た人の割合が僅差の1位。ほぼ同数で引き分けになるという結果だ。引き分けを「負けてはいない」とするなら、いちおうの成功、それなりには売れると評価するなら、60%以上の判断は「売れる」という解釈も可能だ。ただ、このアンケートではライバルを尋ねたので、Tクラス“単独指名買い”は含まれていないから、決着をつけるのは早計だ。

フォルクスワーゲン ID.Buzzフォルクスワーゲン ID.Buzz

なお、Tクラスは、『EQT』としてEVバージョンの販売も予定されている。国内では日産『セレナe-Power』やホンダ『ヴェゼルe:HEV』などシリーズハイブリッドが受け入れられているが、ピュアなEVミニバンがない。過去に日産『NV200』のEVバージョンが販売されていたが、現在は作られていない。プジョーとシトロエンがSUVを国内にも投入しているくらいだ。EQTの国内投入も期待したいが、アンケートではTクラスのライバルとしてVW『ID.Buzz』を挙げた人が2名いた。

ID.Buzzが日本に登場するころには、ミニバンのEVも増え始め勢力図も変わっているかもしれない。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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