ジープ ワゴニア「L」にも新エンジン「ハリケーン」搭載、420馬力…ニューヨークモーターショー2022

標準ボディに対して全長はプラス305mmの5759mmに

2350rpm以上でピークトルクの90%以上を引き出し続ける

高出力と低燃費を両立させるテクノロジー

ジープ・ワゴニア L(ニューヨークモーターショー2022)
ジープ・ワゴニア L(ニューヨークモーターショー2022)全 10 枚

ジープは、ニューヨークモーターショー2022(ニューヨーク国際オートショー2022)において、『ワゴニアL』(Jeep Grand Wagoneer L)を初公開した。

◆標準ボディに対して全長はプラス305mmの5759mmに

同車は、ジープがおよそ30年ぶりに復活させたSUVの『ワゴニア』の新型に追加されたロングバージョンだ。新型ワゴニアは、同時に登場した新型『グランドワゴニア』と、兄弟車の関係にある。プレミアム大型SUVセグメントに投入される新型グランドワゴニアに対して、非プレミアムの大型SUVセグメントに投入されるのが、新型ワゴニアとなる。

ニューヨークモーターショー2022で発表されたワゴニアLは、標準ボディの新型ワゴニアと比較して、全長は305mmプラスの5759mm、ホイールベースは178mmプラスの3303mmとした。

室内は3列シートで、2列目はベンチシートが標準、キャプテンシートはオプションとなる。乗車定員は7~8名。ホイールベースと全長の延長により、キャビン空間を拡大している。また、荷室の容量も拡大している。荷室容量はクラス最大で、新型ワゴニアに対しても、容量を増している。

◆2350rpm以上でピークトルクの90%以上を引き出し続ける

ワゴニアLには、ジープブランドが属するステランティスが新開発した3.0リットル直列6気筒ガソリンツインターボエンジン「ハリケーン」を搭載する。

ハリケーンは、排出ガスを削減し、燃費を向上させながら、よりパワフルなエンジンとなっているのが特徴だ。スムーズに回る直列6気筒エンジンに、最新のツインターボテクノロジーを組み合わせている。ハリケーンは、大排気量エンジンよりも優れた燃費と排出ガスの削減を実現すると同時に、競合他社のエンジンよりも多くのパワーとトルクを生み出す、と自負する。

ハリケーンには、2つの仕様が用意されており、ワゴニアLには標準バージョンを積む。ピークブースト圧が22psiとなり、最大出力は420hp、最大トルクは64.7kgmを引き出す。ハリケーンエンジンは、2350rpmからレッドゾーンまで、ピークトルクの90%以上を引き出し続ける特性とした。ワイドかつフラットなトルクバンドが力強い走りを可能にしているという。また、ハリケーンの直列6気筒は、ボア、ストローク、シリンダー間隔などの設計を、2.0リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンと共有している。

◆高出力と低燃費を両立させるテクノロジー

ハリケーンでは、排気ガス再循環システム(EGR)などにより、燃費性能を追求している。大排気量エンジンよりも最大15%燃費を改善しつつ、V型8気筒ガソリンエンジンに匹敵する性能を実現しているという。ハリケーンの基盤は、構造用アルミ製オイルパンを備えたアルミ製エンジンブロックだ。クロスボルト鋼のメインベアリングキャップには、鍛鋼クランクシャフトと鍛鋼コネクティングロッドが組み込まれる。

専用の冷却回路を備えたチャージクーラーは、標準版がシングルインレットだ。シリンダーヘッドとデュアル水冷式エキゾーストマニホールドを一体設計した。連続可変容量式のオイルポンプは、ポンプ出力をエンジンの状態に合わせて調整し、摩擦損失を減らし、燃料の節約に貢献する。ハイフローボールバルブサーモスタットは、冷却システムの制限を最小限に抑え、機械的損失を低減させている。

低慣性かつ大容量の2個のターボチャージャーが、スロットル入力に迅速に応答するために、それぞれが直6エンジンのうちの3気筒を受け持つ。また、シリンダーボアのプラズマトランスファーワイヤーアーク(PTWA)コーティングにより、薄型で低摩擦を実現している。専用のチェーン駆動シャフトによって作動するポンプは、標準版がシングル。これにより、350バールの高圧での直接燃料噴射を可能にした。エンジンはDOHCで、広範囲で完全に独立した可変バルブタイミング機構を備える。エンジンの再始動を迅速に行うために、強固なスターターモーターを備えた省燃費のエンジンストップスタート(ESS)機能が付く、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る