もはや狂気の沙汰!? ネオクラ中古車相場~上級編:FTO、フェリオ、ランティス、AE92~

もはや狂気の沙汰!? ネオクラ中古車相場~上級編:FTO、フェリオ、ランティス、AE92~
もはや狂気の沙汰!? ネオクラ中古車相場~上級編:FTO、フェリオ、ランティス、AE92~全 10 枚

中古車価格が上がっているが、その中でも今回は上級編。すごーく速いクルマでもなく、すごーく高かったクルマでもないのに、めちゃくちゃ高騰している普通のクルマたちをピックアップ!

どこに人気と需要があるのかは読みきれない。プロでも中古車相場は読みきれない。読めていたらその車種を買いだめして、上がった頃に売ればいいわけだが、想定外の車種が高騰している。とくにその中でも特徴的なのがネオクラシックな中古車たち。今回登場するような90年代のクルマで、しかもスペシャリティなモデルでもなく、わりと当時は普通だったクルマが高騰しているのだ。

◆上級編1:三菱FTO
革新的マニュアルモード付きATモデルだった

三菱 FTO三菱 FTO

1994年登場。2000ccのV6エンジンをフラッグシップとして、1800ccの直列4気筒もラインナップ。ミッションは5MTもあるが、当時日本初だったマニュアルモード付きオートマチックミッションを搭載。革新的モデルとして登場した。ちなみにシフトノブは車両前方が+(シフトアップ)で、後方がー(シフトダウン)。レースカーのそれとは逆になっていることに賛否もあった。

FFレイアウトでパワフルだったわけでもなく、兄貴分の『GTO』に比べるとちょっとおとなしいデザインもあり、スポーツカーのようなそうでないようなモデルのまま、2000年には発売終了。4万台弱が販売したとされる。

そんな約25年前のモデルがなんと200万円以上の個体も存在する。相場の中心も130万円ほどで、年式から考えると驚くほど高い。映画「ワイルド・スピード」の影響もあって、『エクリプス』が人気を回復した例があるが、FTOはもはや謎である。日本のスポーツカーで初のマニュアルモード付きオートマといえばそうだが、そこに付加価値が付いているとも思えないのだ。

◆上級編2:ホンダ・シビックフェリオ
30年も経っているのに200万円以上!

ホンダ シビックフェリオホンダ シビックフェリオ

「EGシビック」のセダン版であるホンダ『シビックフェリオ』。その西海岸なスタイルは人気ではあったが、ハッチバックのベースモデルに比べて一際人気がある感じでもなかった。ところが現在は相場が大変ことになっている。10万km以上走行しているのが普通で、200万円オーバーばかり。中には600万円以上という個体まであるほど。シビックはそのかわいいスタイリングと、パワフルなエンジンのおかげで歴代モデルいずれも人気が高い。ベースモデルのEGシビックも高騰しているが、そちらも200万円台がメイン。だが、若干フェリオよりは安め。飛び抜けて高いモデルも少ない。なぜかフェリオの方が高くなってしまっているのである。

発売から30年経っている1800ccの小型セダンが、新車価格を超えるような200万円以上するという謎の事態なのである。親戚のおじさんやおばさんに未だに乗っている人がいたら、すぐにでも安価で譲ってもらうことをオススメする(笑)。

◆上級編3:マツダ・ランティス
FF V6 2000ccのThis is バブルなセダン

マツダ ランティスマツダ ランティス

謎相場のひとつとして加えておきたいのがマツダ『ランティス』。FTOと同様にバブル景気を受けて生まれたモデル。バブル直後の1993年デビュー。発売時にはバブルは弾けていたが、その頃のバブルのアオリを受けた高級志向らしく、こちらも2000ccながら高級感溢れるV6エンジンを搭載。駆動方式はFFモデルのみをラインアップ。6気筒らしいスムーズなフィールが味わえるスポーツカーでもなく、ファミリーカーでもない、強いて言えばデートカーと言えばいいだろうか? ちょっと曖昧な立ち位置のクルマ。ボディは4ドアとクーペの2種類を設定していた。

現在の価格は100万円弱がメイン。決して法外な値段ではないが30年前の、正直言って中途半端なスポーツモデルとしては異例の値段。普通に考えたら30万円もすれば良い方で、5万円か10万円でもおかしくないはずである。これもネオクラ相場なのだ。

◆上級編4:トヨタ・カローラレビン/スプリンタートレノ AE92
ハチロク「じゃない方」なのに200万円オーバー!

トヨタ カローラレビン/スプリンタートレノ AE92トヨタ カローラレビン/スプリンタートレノ AE92

名車AE86からモデルチェンジしてFF化したのがAE92。ハチロクと同様に販売系列によって『カローラレビン/スプリンタートレノ』がラインアップされていた。それなりに人気はあったが、やはり急速に影が薄くなったのも事実。AE86に92後期エンジンをベースとしてチューニングして搭載することが多く、それで名前を聞くくらいで、AE92本体はすっかりどこかに行ってしまった。と思いきや、しっかりとネオクラ相場に乗っかっている。安くて110万円。中心は150万円前後で、高いものだと200万円オーバーである。

ひと昔前なら友達に安いクルマあるけど買わない? なんて言われて、車種は? と聞くと、「えー92かよ。いらないからなぁ。エンジンだけ降ろしてボディ捨てちゃう?」くらいのノリだったが、今や高級車である。AE86用のエンジンとして92後期エンジンが枯渇しているのでその需要もあるが、AE92本体として高価になっているのだ。

もちろん現存数の問題もあるが、AE92の価値がこれほどまでに高まった現在、そのエンジンを他車に使うという選択肢がなくなったとも言え、AE86用載せ替えエンジンの主流はAE101/111の5バルブ4A-Gにシフトしたのだった。


《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

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