ソニーG 吉田会長兼社長「人々の生活を変える次のメガトレンドはモビリティだ」

ソニーグループ本社
ソニーグループ本社全 3 枚

ソニーグループは5月18日、2022年度経営方針説明会を開催した。吉田健一郎会長兼社長は次の成長領域としてメタバースとモビリティをあげ、特にモビリティについては「大きな可能性を感じている」と述べた。

同社はプロトタイプの電気自動車(EV)『VISION-S』を開発したのをはじめ、この4月には新会社「ソニーモビリティ」を設立した。また、ホンダとEVに関して包括的な提携を発表し、2025年にEVを発売する計画を明らかにしている。

「ソニーは1979年にウォークマンで音を自由に持ち運び、どこでも楽しめる新しいライフスタイルを創造した。われわれは移動というモビリティ空間も新しいエンタテインメント空間にしていきたいと思っている。21世紀に入って人々の生活を大きく変えたメガトレンドはモバイルで、次のメガトレンドはモビリティだと位置づけている」と吉田会長兼社長は話し、こう付け加えた。

「現在、10億台以上のクルマが世界で稼働している。モビリティがIT、通信技術で結びつくことよって、この10億台が長期的にサービス化していくと思っている。すなわち、クルマの機能がソフトウェアにより定義され、サービスを通じてアップデートが可能になる。買った後も進化していくことになる」

吉田会長兼社長は「モビリティの進化に貢献する」と控えめだが、要はウォークマンで音の世界を席巻したように、モビリティの世界でも「感動」をキーワードに席巻しようと狙っているわけだ。すでにゲームの世界では1億人以上のユーザーを結びつき、そこからリカーリングビジネスによって毎月多大な収益をあげている。

具体的には「セーフティ」「エンタテイメント」「アダプタビリティ」の3つの領域を考えている。特にセーフティの領域では、CMOSイメージセンサーやLiDAR向けSPAD距離センサーなどのセンサー技術でモビリティの安全面をサポートしていく。現在、多くの自動車メーカーに採用され始めているそうだ。

「セーフティやエンタテインメントの進化の前提となるのはアダプタビリティで、ゲームやアイボで培っていたクラウドサービスの知見を活かして、進化するモビリティの実現に貢献していく」と吉田会長兼社長

また、ホンダとの合弁会社設立の進捗状況について、「新しい価値をつくることで一致している。順調に進んでいる」とだけ述べ、設立時期や社長など詳しい話については言及しなかった。いずれにしても、モビリティの世界にソニーが新たな風を起こすことは間違いないだろう。


《山田清志》

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