【日産 サクラ】デイズと違うデザイン、三菱は同じ…異なる戦略

日産サクラ
日産サクラ全 17 枚

新型軽EVの日産サクラ』と三菱『eKクロスEV』。2車種は基本骨格を共有しており、それぞれのブランドで既存車種とも共有するが、デザインのアプローチがサクラとeKクロスEVで異なる。これは各社におけるEVの位置付けの違いでもある。

日産サクラは内燃機関の『デイズ』と兄弟車だ。三菱自動車におけるeKクロスEVと『eKクロス』との関係になり、4車種はプラットフォームが共通だ。三菱兄弟がほぼ同じデザインであるのに対し、サクラはデイズとは明確に異なるデザインを持つ。

これについて、日産サクラの開発責任者である坂幸真セグメントチーフビークルエンジニアは、両社のラインナップ展開におけるEVの位置付けの違いだと説明する。

「日産ではEVファミリーを構築しようとしている。サクラは、軽自動車とは一線を画した、“スモールEV”としたい。従ってデイズとデザインを変えた。いっぽう三菱は、eKシリーズの選択肢のひとつだ」

三菱eKクロス(黄色)とeKクロスEV(水色)三菱eKクロス(黄色)とeKクロスEV(水色)

三菱自動車商品企画本部の藤井康輔チーフ・プロダクト・スペシャリスト(Domestic Vehicle)は、カーボンニュートラルを実現するために「EVを選択肢のひとつに気軽に入れてほしい」ので、eKクロスから大きな変更はせず、EVが特別だという見せ方はしなかった、と説明している。

日産サクラのデザインにデイズと共通のモチーフはなく、先行するEVの『アリア』と共通のモチーフを用いている。田勢信崇プログラムデザインダイレクターは、EVとしてデザインの一貫性を保つため、と語る。

「デイズとデザインを分けることは開発初期からの方針だ。アリアと共通モチーフにするのも当初から。EVを人々に認知してもらうのはそれが近道だ」

日産アリア日産アリア

発表発売はアリアが先行したが、デザイン開発はほぼ並行している。東京モーターショー2019で、後のサクラとなる『IMk』コンセプトカーがアリアと同時に発表されているのだ。

田勢ダイレクターも「サクラは“小型のEV”としてEVラインナップを拡充する」という。EVファミリーを訴求する日産、EVはバリエーションの一つとする三菱、両社のEV展開の違いが、新型軽EVのデザイン開発の違いにも現れている。


《高木啓》

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