【アウディ Q4 e-tron 新型試乗】欧州仕様に先行試乗、EVを意識させない自然体に好感…島崎七生人

左ハンドルの欧州仕様に日本で先行試乗

Q5よりも広い後席、インテリアに好感

EVであることを意識させない自然体の走り

アウディ Q4 40 e-tron(欧州仕様)
アウディ Q4 40 e-tron(欧州仕様)全 24 枚

「エンジンの搭載を想定していない」というEV専用プラットフォーム“MEB”がベースのアウディ『Q4 e-tron』。この秋の導入を前に貴重な試乗が叶ったので、その第一印象をお伝えしよう。

左ハンドルの欧州仕様に日本で先行試乗

アウディ Q4 40 e-tron(欧州仕様)アウディ Q4 40 e-tron(欧州仕様)

試乗車は欧州仕様車の左ハンドルだった。導入されるのはSUVの『Q4 40 e-tron』とクーペSUVの『Q4 Sportback 40 e-tron』、この2タイプで、今回の試乗車は「クーペSUVではないほう」の欧州仕様で、当然ながらハンドル位置は左。それと21インチタイヤ&ホイールを装着していた点が日本仕様(=20インチまたは19インチの設定になる)とは異なる程度……そういう個体だった。

全長×全幅×全高は4588×1865×1632mm(欧州仕様の数値、以下も同じ)という実車は、たとえば『Q5』以上と較べると手頃感のあるボディサイズなのがいい。一方でデザインは、一連のアウディの「Qシリーズ」のなかでさり気なくモード系というか、センス的には『Q8』を程よくコンパクトにした落ち着いた感じ。印象は個人差があるかも知れないが、トレンドのど真ん中のSUV、しかもEVだが、決して気後れせず、気持ちが流行り過ぎもせず、普通の面持ちで試乗に臨めた。

Q5よりも広い後席、インテリアに好感

アウディ Q4 40 e-tron(欧州仕様)アウディ Q4 40 e-tron(欧州仕様)

インテリア、とくにコクピットまわりのデザインとまとめかたにも好感をもった。いきなりすべてタッチパネル式ということではなく、空調関係やシートヒーター、走行モード切り替え(画面でも切り替え可能)など物理スイッチが残され、日本流でいうと、ポータブルラジオやブラウン管TVの頃の鳴らなくなったら本体を叩く習慣のある昭和世代(=筆者)でも、最近の新型車のなかでは面食らわずに乗れた部類。

後席は「『Q5』より広いくらい」との車種担当者の方のコメントだが、2764mmのホイールベースと、フロントオーバーハングを始めメカ部分をコンパクトにしキャビンを大きく取ったパッケージングは、実用性の高さで実感する。数少ないコンプレインとして、上下フラットデザインのステアリングホイールのみ、クルマのキャラクターに照らしても、オーソドックスなデザインのほうが本当はいいと思えた。

EVであることを意識させない自然体の走り

アウディ Q4 40 e-tron(欧州仕様)アウディ Q4 40 e-tron(欧州仕様)

一方で走りは実に自然体だ。ちょうど我が家に来たばかりの生後4か月の柴犬の子犬がおり、家の中を全速力で駆け回るのを見ていて「EVの加速みたいだ」と思っているところだが、もちろんモードの選択次第でEVらしい俊足ぶりも、スムースさも体感できる。が、後輪駆動ということもあり、車重は2050kgながら、ドライビングダイナミクスでいうと素直さが味わえ、逆説的だが、ことさらEVを意識させられることなく、気持ちのいいクルマとして走らせていられるのが魅力だ。

欧州値の一充電走行距離は516kmといい、200V普通充電は標準3kW、オプションで最大8kW、急速充電はCHAdeMO規格の125kWに対応している。

アウディ Q4 40 e-tron(欧州仕様)アウディ Q4 40 e-tron(欧州仕様)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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