[カーオーディオ“なぜ?”]車内静音はプロに任せるべき…その理由とは

『調音施行』にて用いられるフォーカルの『BAMシート』。
『調音施行』にて用いられるフォーカルの『BAMシート』。全 5 枚

カーオーディオは、ビギナーから“分かりづらい”と思われがちだ。確かに専門用語が使われることも多く、専門知識が必要となる局面にもたびたび出くわす。当連載では、そういった“分かりづらい”と感じさせる事柄の意味や理由を解説している。

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◆「車内静音」の実行は、DIYでは難しい!?

前回は「車内静音」にスポットを当て、近年これへの関心が高まっているその理由を説明した。理由は主には2つある。まず1つ目は、「エンジン音が静かになったから」だ。結果、他のノイズが目立つようになってきた。そしてもう1つの理由は、「燃費向上のためにボディの鉄板が薄くなりつつあるから」だ。ゆえに音が響きやすくなり、また車外からのノイズも侵入しやすくなっている、と解説した。

それに引き続いて今回は、その対策法を紹介する。結論から入ろう。「車内静音」はプロに任せた方が良い。さて、それはなぜなのかというと…。

その理由はズバリ、「DIYでは対処し難いから」だ。車内を静かにするためには、フロアや天井の鉄板に専用部材を貼り付ける必要があるが、その作業が簡単ではないのだ。

例えばフロアの鉄板をむき出しにするには、センターコンソールやシートを外す必要がある。天井についても、各ピラーのパネル類も外さないと天井のパネルを取り除けない場合が多い。フロアにしても天井にしても、鉄板に直接アクセスするには相当な手間がかかる。そして経験と技術も必要となる。

◆DIYでもできることがある。しかし、大きな成果を求めるのなら…。

ちなみに、DIYでできることもある。運転席と助手席の足元のカーペットの下に吸音材や遮音材をを敷いてみると、それだけでもロードノイスの侵入を多少は緩和できる。興味があれば試してほしい。

しかし、それでは効果は限定的だ。なので徹底的に静かにしたいと思うのなら、プロの力を借りるべきだ。

なお「車内静音」を手掛けるカーショップ等はさまざまある。そしてそれを請け負えることを案内しているお店なら、どこもノウハウは十分に持ち得ている。

で、「カーオーディオ・プロショップ」も「車内静音」を得意としている。彼らが「車内静音」を得意としている理由は主には2つある。1つ目の理由は「車内のパネル類の取り外しに関するノウハウも豊富に持つから」だ。カーオーディオシステムを組もうとする際には、ドアやフロア等のパネル類の取り外し作業が多かれ少なかれ必要となる。「カーオーディオ・プロショップ」は、普段からそれをやり慣れている。

2つ目の理由は、「車内静音用の部材の取り扱いに慣れているから」だ。「車内静音」を行うための部材の多くは実は、車内の音響的なコンディションを整えるための部材でもある。なので「カーオーディオ・プロショップ」はそれら部材の入手経路を確保できていて、かつ部材の扱い方も熟知している。さまざまな部材が存在しているが、それぞれがもたらす効果と施行上のコツを心得ている。ゆえに「車内静音」を行う場合にも、多種多様な部材を適材適所で使い分けられる。

◆「車内静音」を合理的に実行できるスペシャルメニューがある!?

ところで国産ハイエンドカーオーディオブランドのビーウィズが、合理的に「車内静音」を行える特別メニューを用意しているので紹介したい。同社がディストリビュートしているフランスの実力スピーカーブランド・フォーカルから提供されている最高級遮音材「BAM(バム)シート」を用いて行う、『調音施行』と名付けられたプログラムを開発しているのだ。

なお『調音施行』は、「基本プログラム」(ホイールハウス周辺に施工)と、エンジンルーム(エンジン車)またはラゲッジルーム(ピュアEV)からの透過音に効果のある「オプションプログラム」、この2つで構成されている。特に前者では、ロードノイズの侵入源となるホイールハウスに集中的に作業を施すことにより、フロア全体への施行と比べてよりリーズナブルにかつ効率的に「車内静音」を実現可能だ。

ちなみに『調音施行』を紹介する同社のHPを見ると、対応車種が明示されている。つまり、検証により効果が確認できた車種が明らかになっているのだ。それを見れば、欧州車から国産車までさまざまな車種で効果が認められていることを確認できる。興味があればぜひともチェックを。

今回は以上だ。次回以降もカーオーディオに関する“分かりづらい”ポイントについての解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。


《太田祥三》

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