レッドブル、F1モナコ優勝のセルジオ・ペレスと2024年まで契約延長

今季のF1モナコGPで優勝したセルジオ・ペレス。2024年シーズンまでレッドブルに留まることが決まった。
今季のF1モナコGPで優勝したセルジオ・ペレス。2024年シーズンまでレッドブルに留まることが決まった。全 8 枚

F1に参戦しているレッドブル(ORACLE Red Bull Racing)は5月31日、先日のモナコGPで優勝したセルジオ・ペレスとの契約を2024年シーズンまで延長したことを発表した。

セルジオ・ペレスは32歳のメキシコ人ドライバー。今季でF1参戦12年目のベテランである。2011年シーズン、当時のザウバー(現在のアルファロメオ)で小林可夢偉のチームメイトとしてF1デビュー(可夢偉とは翌年も僚友)。13年にマクラーレン、14年にフォースインディアへと移籍し、やがてフォースインディアがレーシングポイントに変わったのち、20年サクヒールGPでペレスは自身のF1初優勝を飾った(レーシングポイントは21年からアストンマーティンに)。

21年、レッドブルに移籍したペレスは、エースのマックス・フェルスタッペンを助けるチームプレイヤーとしての働きを演じつつ、アゼルバイジャンGPでは自身通算2勝目を達成。今季22年もチームに留まり、先のモナコGP(5月29日決勝)で今季初優勝、通算3勝目を挙げた。マシン規定が大きく変わった今季はフェルスタッペンに負けないくらいの速さを発揮してもいる(レッドブルの搭載パワーユニットは19~21年がホンダ。22年はホンダの“技術協力”を得る「レッドブル・パワートレインズ」のそれを搭載中)。

そしてペレスが24年シーズンまでレッドブルに留まることが決まった(契約が2年延長された)。僚友フェルスタッペン(21年チャンピオン)は28年までの残留が決まっており、少なくとも24年シーズンまで現行のフェルスタッペン&ペレスのコンビをレッドブルは継続することになった。

ペレスは「自分にとって素晴らしい“1週間”だった。モナコGPで優勝することはすべてのドライバーにとって夢であり、さらに24年までチームとともにあることがアナウンスされたわけだからね。とてもハッピーだ」との旨をコメントしている。

今回の決定は、現在唯一の日本人F1レースドライバー、角田裕毅の未来にも影響を与える可能性がある。角田が所属するアルファタウリはレッドブルと姉妹チームの関係にあり、陣営内でレッドブルが格上に位置づけられる存在だ。上位争いへの安定的な参加が見込まれるレッドブルのシートが24年までは2席とも埋まったわけで、角田にとって当面のひとつの目標であるだろうレッドブル昇格は、早くとも25年シーズンということになった。

角田の僚友、F1優勝経験(1勝)もあるピエール・ガスリーはレッドブルでの参戦経験も有するドライバー(優勝はアルファタウリで達成)。これで再昇格は決定的に遠のいた。今回のペレス契約延長によって受ける将来的なキャリア形成への影響は、角田以上に大きいかもしれない(ちなみに他陣営も最近は契約の長期化傾向が顕著で、なかなかいいシートが“市場”に出てこない状況でもあるが)。

アルファタウリ在籍中の2人のF1ドライバーのみならず、レッドブル傘下でF1を目指している世界各地のドライバーたちにとっても当分は頂上の人事が固定され、要するに“上が詰まっている”状況になるわけであり、影響は様々に波及していきそうだ。

レッドブルは今季ここまで7戦5勝。ディフェンディングチャンピオンのフェルスタッペンが4勝で、125ポイントを稼ぎドライバーズランキング首位に立っている。一方でペレスは1勝ながら、110ポイントを得ており、フェラーリのシャルル・ルクレール(116ポイント)に次ぐランキング3位、首位のフェルスタッペンからも15ポイントという近い位置につけている(契約延長も納得の成績だ)。

また、レッドブルはコンストラクターズランキングでフェラーリに36ポイント差(235対199)をつけて首位。昨季はフェルスタッペンが個人王座に就くも、こちら(チーム部門)に関してはメルセデスに8連覇を許し2冠独占はならなかった。9年ぶりのコンストラクターズ王座獲得(および2冠独占)を目指す今季、まだまだ先は長く、戦況がどう動くかはわからないが、実現の可能性あり、とはいえそうだ。

なお、今季のF1は当初23戦の予定だったが、9月のロシアGPが中止になり、検討されていたその代替戦は実施されずに全22戦(昨季と同数)となることが5月に決まっている。3年ぶりとなる日本GPは10月7~9日に鈴鹿サーキットで開催される予定。


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《遠藤俊幸》

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