JR東日本は6月7日、上越新幹線の最高速度を2023年春から275km/hに引き上げると発表した。
1982年11月に開業した上越新幹線は、当初、200系E編成による最高速度210km/hでスタートした。1988年3月改正では200系F編成により5往復の『あさひ』で240km/h運転を開始。1990年3月改正からは『あさひ』下り2本が200系F90~93編成により上毛高原~浦佐間で275km/h運転を行なっていたこともあったが、自重がある2階建て新幹線(E1系、E4系)の上越新幹線進出を機に240km/h運転に統一されることになり、この高速運転は1999年12月に終了した。
しかし、速度向上のネックとなっていた2階建て新幹線は最後のE4系が2021年10月に引退。車両上の制約がなくなる見込みになったタイミングでJR東日本では上越新幹線の速度向上策に乗り出し、2019年からは吸音板の設置や防音壁の嵩上げといった騒音対策や、「トロリ線」と呼ばれるパンタグラフに接触する給電用の電線の張力を向上させる工事を施工してきた。



今後は既存の防音壁の上にJR東日本が中心となって開発した新幹線用騒音低減装置(NIDES)を設置。嵩上げができない既存の防音壁には、新たに基礎を造り嵩上げを行なう「別基礎防音壁」が設けられる。


これらの工事は2022年度末までに完了する見通しで、それを機に上越新幹線全列車をE7系に統一。速度向上後は大宮~新潟間の到達時間が現在より最大7分短縮。大宮~高崎間で同じ線路を走る北陸新幹線も現行より最大2分の短縮が見込まれる。