スロープ設定で“位相”が回る!?…クロスオーバー[サウンドチューニング]

2ウェイスピーカーを取り付けたオーディオカーの一例(製作ショップ:オートステーションK2<大阪府>)。
2ウェイスピーカーを取り付けたオーディオカーの一例(製作ショップ:オートステーションK2<大阪府>)。全 5 枚

カーオーディオではサウンドチューニング機能の設定の巧拙で、最終的なサウンドクオリティが変化する。当連載ではそれを自分でやってみることを推奨し、各機能の設定方法を解説している。

【画像全5枚】

なお、本命の設定はプロに任せた方が確実だ。しかしそれと並行して自分でもやってみると楽しめる。興味があれば当記事を参考に、ぜひチャレンジしてほしい。

さて現在は、フロントスピーカーのツイーターとミッドウーファー間においての「クロスオーバー」機能の操作方法を解説している。ここまでは、ツイーターとミッドウーファーそれぞれの「カットオフ周波数(それぞれの担当範囲の下限と上限)」の決め方と、「スロープ(信号をカットする際の減衰率)」の決め方について解説してきた。

なお「スロープ」を決める際には、ツイーターとミッドウーファーのサウンドが上手く一体化するように、そして「クロスポイント(信号の帯域分割を行う境目)」付近の音情報が厚くなったり薄くなったりしないように気を付けながらベストを探っていくこととなるのだが、実は「スロープ」は、「位相(Phase)」を合わせるためのツールとしても機能する。

これまでも何度か説明してきたが、「位相」とは「音波のタイミング」だとイメージしてほしい。音は、静かな水面に石を投げ入れたときに水面を伝う波紋のように、空気中を上下動を繰り返しながら進んで行く。で、スピーカーユニットが複数使われるとき、各スピーカーから放たれる音の「位相」が揃わないと、サウンドが上手く繋がらなくなる。

で、実をいうと「スロープ」を切り替えると、「音波のタイミング」も変化する。「スロープ」は、マイナス6dB/oct、マイナス12dB/oct、マイナス18dB/oct、というように選択肢が「6」の倍数となるのだが、それを1つ進めていくごとに「位相(音波のタイミング)」が90度ずつ変化する。

で、「クロスオーバー」機能には「位相切替スイッチ」というものも備えられていて、それの「正・逆」を切り替えると「位相が反転する(180度変わる)。それを切り替えて「位相」を合わせることとなる。そして「位相」が合うと、サウンドの一体感が増し音が迫って来る感じが強まる。

しかし「位相切替スイッチ」を切り替えても、聴こえ方が大きく変わらないことがある。そうであるとそれは、「位相」が“どっちつかずの状態”になっていると推測できる。

そんなときは「スロープ」の値を1段階変えてみよう。そうすると「位相切替スイッチ」を操作したときに聴こえ方が大きく変わることがある。そうなった場合これはつまり、「位相」が90度変化したことにより“どっちつかずの状態”からはっきりと「正・逆」の差が出る状態へと変わった、ということだと判断できる。そうなればしめたものだ。よりサウンドの迫力が増す方を選べばOKだ。

「スロープ」設定はこのような観点で使うと、「クロスオーバー」調整の精度が上がる。参考にしてほしい。

今回は以上だ。次回は「クロスオーバー」:調整のまとめをお贈りする。お楽しみに。


《太田祥三》

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