EVセダンを「野獣」化…ポールスターがグッドウッド2022で初公開へ

ツインモーターの最大出力を68hp強化

専用チューンされたオーリンズ製ダンパー

スマホがキー代わりになるデジタルキー

ポールスター2 の「BSTエディション270」
ポールスター2 の「BSTエディション270」全 10 枚

ボルボカーズ傘下のポールスターは、6月23日に英国で開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において、EVセダン『ポールスター2』(Polestar 2)の高性能モデル「BSTエディション270」を初公開すると発表した。

◆ツインモーターの最大出力を68hp強化

BSTエディション270の「BST」とは、ビースト(野獣)を意味する。ポールスターは前回の2021年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて、ポールスター2の高性能コンセプトカーを初公開した。このコンセプトカーが好評だったことから、市販バージョンのBSTエディション270が世界限定270台で登場した。

BSTエディション270は、「ロングレンジ・デュアルモーター」グレードのEVパワートレインを強化した。前後にそれぞれモーターを搭載し、4輪を駆動する。前後の2つのモーターは合計で、最大出力がプラス68hpの476hp、最大トルクはプラス2kgmの69.3kgmに強化されている。バッテリーの蓄電容量は78kWhとした。

強化モーターされたモーターは、スポーティな走行性能を生み出す。0~100km/h加速は4.4秒に短縮された。追加のパワーとトルクは、70~130km/hの速度域において、「ブースト」として利用でき、ミッドレンジでさらなる加速性能を発揮するという。80~120km/hの加速は、0.5秒短縮され、2.2秒となる。

ポールスター2 の「BSTエディション270」ポールスター2 の「BSTエディション270」

◆専用チューンされたオーリンズ製ダンパー

シャシーは強化されており、車高を25mmダウン。オーリンズ製の調整可能ダンパーにも専用チューンを施す。フロントストラットバー、20%剛性の高いスプリング、ブランド第一号車のプラグインハイブリッド(PHV)スポーツクーペの『ポールスター1』に触発されたマットブラックの21インチアルミホイール、245/35R21サイズのピレリ「P Zero」タイヤを装着している。ブレンボ製4ピストンブレーキも標準だ。

ボディカラーは、サンダーまたはスノーの2色を用意した。インテリアは、チャコールウィーブテックを組み合わせる。ボディ同色のバンパーとサイドスカートが採用された。オプションでマットブラックのボディストライプと、バトルシップグレーサテンラップを用意している。ドアミラーカバーは、グロスブラック仕上げだ。ブレーキキャリパー、ダンパーエレメント、バルブキャップ、シートベルトなどには、特徴的な「スウェーデンゴールド」仕上げが施される。

なお、BSTエディション270の生産は、2022年半ばに開始される。2022年第4四半期(10~12月)に納車を開始する予定だ。

ポールスター2 の「BSTエディション270」ポールスター2 の「BSTエディション270」

◆スマホがキー代わりになるデジタルキー

ポールスター2には、スマートフォンがキー代わりになる「ポールスター・デジタルキー」を導入する。複数のユーザーが利用するカーシェアリングなどで便利な技術だ。オーナーは第三者とバーチャルキーを共有したり、他の多くのオンデマンド機能にアクセスしたりできるようになる。スマートフォンを携帯したドライバーが車両に近づくと、車両のロックが自動的に解除される。

ポールスター・デジタルキーは、ソフトウェアの無線アップデートで車両にダウンロードされる。新しい「ポールスター・アプリ」とポールスター・デジタルキーは、すべてのポールスター2の顧客に対して、無線更新で配信される。

また、グーグルの「Android」をインフォテインメントシステムに組み込む。これにより、「Googleアシスタント」、EV対応の「Googleマップ」、「Google Playストア」など、グーグルのサービスが車内で利用できる。自然な音声認識技術と新開発の11インチタッチスクリーンディスプレイが、新しいインターフェイスを可能にする。

グーグルのAndroidベースのオペレーティングシステムにより、常にインターネットに接続。スマートフォンのように、無線で最新情報を受信する。また、音声アシスタントのGoogleアシスタントを採用した。エアコンの温度調整やオーディオの曲の選択などを音声認識で行うGoogleアシスタントによって、ドライバーは運転に集中できる。さらに、ナビゲーションアプリにGoogleマップを導入する。Googleマップが車載化されているため、リアルタイムで交通情報などが得られる、としている。


《森脇稔》

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