上下分離が検討されている肥薩線…斉藤国交相「骨太の方針に沿って早期に結論」

令和2年7月豪雨で被災した肥薩線。画面上方、奥が流失した第二球磨川橋梁(2020年7月8日、熊本県球磨郡)。
令和2年7月豪雨で被災した肥薩線。画面上方、奥が流失した第二球磨川橋梁(2020年7月8日、熊本県球磨郡)。全 6 枚

斉藤鉄夫国土交通大臣は6月21日に開かれた定例会見で、JR九州肥薩線の復旧支援について記者の質問に答えた。

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令和2年7月豪雨による大規模な被災により、八代駅(熊本県八代市)と吉松駅(鹿児島県湧水町)との間で運行を見合わせている肥薩線をめぐっては、2022年3月に国交省と熊本県が共同で復旧へ向けた「JR肥薩線検討会議」を起ち上げ、5月に行なわれた2回目の会議では、並行する国道219号線の災害復旧事業や河川事業といった国事業との連携で復旧費を軽減する考えが示された。

鉄道単独で復旧する場合は、費用負担が最大で国4分の1、地方自治体4分の1とされている改正鉄道軌道整備法の適用によりJR九州の負担額は235億円とされているが、国事業との連携による復旧を加味した場合は25億円程度まで圧縮できると試算されている。

しかし、被災前の2019年度は輸送密度が八代~人吉間が414人/日、人吉~吉松間が106人/日と、旧国鉄再建法に基づく廃止基準を大きく下回っており、JR九州が発足した1987年の2割弱にまで落ち込んでいる。赤字額も八代~吉松間で8億9100万円にのぼることからJR九州では復旧に慎重姿勢を示しており、地元では復旧後の収支改善策として上下分離方式などを検討。復旧後の支援を国に対し強く要望している。

これら一連の動きについて国交省としてどのような対応を考えているのかという点を問われた斉藤大臣は、「交通事業者と地域との官民共創等による持続可能性と利便性の高い地域公共交通ネットワークへの再構築に当たっては、法整備等を通じ、国が中心となって交通事業者と自治体が参画する新たな協議の場を設けるほか、規制見直しや従来とは異なる実効性ある支援等を実施する」とする「経済財政運営と改革の基本方針2022」(6月7日に閣議決定された、いわゆる「骨太の方針」)に沿い、「肥薩線検討会議において早期に結論が出せるよう、県、JR九州を含め関係者としっかり協議していきたいと思っています」と述べるに留めている。


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