ブガッティ シロン 世界最高速仕様…グッドウッド2022ヒルクライムに登場

リアを250mm延長した「ロングテール」デザイン

『EB110スーパースポーツ』を連想させる9個のエアダクト

500km/hでも安定して走行できる世界唯一のタイヤを装着

8.0リットルW16+4ターボは1600psに強化

ブガッティ・シロン・スーパースポーツ 300+(グッドウッド2022)
ブガッティ・シロン・スーパースポーツ 300+(グッドウッド2022)全 10 枚

ブガッティは6月23~26日、英国で開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のヒルクライムに、『シロンスーパースポーツ300+』(Bugatti Chiron Super Sport 300+)で出走した。

写真:ブガッティ・シロン・スーパースポーツ 300+

シロンスーパースポーツ300+のプロトタイプは2019年、490.484km/hという世界最高速記録を樹立した。その後、市販モデルを世界30台限定で生産すると発表していた。

◆リアを250mm延長した「ロングテール」デザイン

ブガッティ・シロン・スーパースポーツ 300+(グッドウッド2022)ブガッティ・シロン・スーパースポーツ 300+(グッドウッド2022)

ブガッティは、シロンスーパースポーツ300+のために、空力特性を最適化した新しい車両デザインを開発した。フロントのリップスポイラーからリアのディフューザーまで、そのすべてが最高速のために新設計されているという。420km/hを超える速度域では、車両は最小限の抗力で充分なダウンフォースを得る必要があるという。シロンスーパースポーツ300+では、最高速領域でのニュートラルなセットアップと、可能な限り流線型のフォルムにすることを目標に掲げた。

シロンスーパースポーツ300+では、リアのオーバーハングがおよそ250mm延長された。この「ロングテール」デザインにより、空気の層流がより長く車体の上を通ることを可能にしているという。ディフューザーも新デザインとなり、風の抵抗が減少。これらの変更により、リアのプロポーションは従来よりもワイド&ローになった。

テールパイプの配置も変更された。ディフューザーの効果を高め、より多くのスペースを確保するために、中央の排気システムを横にずらし、パイプを垂直に配置した。エキゾーストシステムも、より深く豊かなサウンドを発生するという。

◆『EB110スーパースポーツ』を連想させる9個のエアダクト

ブガッティ・シロン・スーパースポーツ 300+(グッドウッド2022)ブガッティ・シロン・スーパースポーツ 300+(グッドウッド2022)

フロントのデザインも変更された。エアインテークの横にサイドエアカーテンを追加することなどにより、フロントからホイールアーチへのエアフローが改善されているという。

左右のフロントフェンダーには9個のエアダクトが設けられた。これは、かつての『EB110スーパースポーツ』を連想させるだけでなく、前輪付近の空気の流れを最適化し、フロントアクスルにより多くのダウンフォースを発生させる。フロントホイールアーチの後ろにも、エアダクトが追加されている。

5本スポークデザインの新しいアルミホイールは、専用デザインだ。ダイヤモンドカット仕上げのオプションも用意した。バネ下重量をさらに軽減する「ピュールスポーツ」用のマグネシウムホイールも、オプションで選択できる。

◆500km/hでも安定して走行できる世界唯一のタイヤを装着

ブガッティ・シロン・スーパースポーツ 300+ブガッティ・シロン・スーパースポーツ 300+

ブガッティは、新しいシャシーを開発した。ステアリングシステムとダンパーは改良され、より滑らかなステアリング動作のためにタイトなステアリングを実現しているという。スプリングレートは引き上げられ、電子制御シャシーも再チューニングされた。走行モードは「EB」、「ハンドリング」、「アウトバーン」、「トップスピード」の4種類だ。

ボディはリアを延長し、フロントを改良した。これにより、最高速領域において、バランスのとれた空力特性を発揮することを狙う。高速コーナリングでも、リアは落ち着いたニュートラルな状態を保つという。

新開発のミシュラン「パイロットスポーツ・カップ2」タイヤは、最高速領域での性能を最適化した。ピュールスポーツ向けのタイヤよりも、優れた剛性と滑らかさを実現するという。大きな力に耐えることができる強化ベルトによって、500km/hでも安定して走行できる世界唯一のタイヤとして開発された。すべてのタイヤは、製造後にX線検査を受けるという。

◆8.0リットルW16+4ターボは1600psに強化

シロンスーパースポーツ300+では、8.0リットルW16+4ターボエンジンをチューニングし、その最大出力を100ps引き上げて、1600psとした。エンジニアは、ターボチャージャー、オイルポンプ、バルブトレイン付きのピストン、トランスミッション、クラッチに変更を加えた。これにより、エンジンの許容回転数は300rpm引き上げられ、最大7100rpm に。163kgmの最大トルクは、従来の6000rpmではなく、2000~7000 rpmの幅広い領域で発生し続ける特性とした。同時に、車両重量は23kg軽量化されている。

より効率的なコンプレッサーホイールを備えた大型ターボチャージャーの効果で、7速デュアルクラッチトランスミッションは、フルスロットル状態で6速から7速に403km/hでシフトアップする。0~200km/h加速は5.8秒、0~300km/h加速は12.1秒。0~400km/hは、通常のシロンよりも7%速く加速する。

また、ブースト圧は最大近くに維持される。ギアを変更すると、ブースト圧は0.3 秒間低下するだけで、その後2.8バールのフルブースト圧に戻る。6000rpmを超えても加速は低下せず、最大7100rpmまで強力な加速が維持される、としている。


《森脇稔》

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