西日本の太平洋側を中心に非常に激しい雨を降らして、今朝には九州に上陸した台風4号の進路も心配だが、やはり、携帯電話大手のKDDIで、7月2日未明に発生し、音声通話などが60時間以上もつながらないままだった大規模な通信障害の復旧状況も気になるところである。
KDDIによると、最大3915万回線に影響した音声通話・データ通信ともに全国的に「ほぼ回復」、4日夜にオンラインで開いた記者会見では、完全復旧の時期について、「めどとしては5日の夕刻」との見方を明らかにした。
きょうの各紙も読売と朝日が1面トップで「通信全面復旧今夕にも」などと報じたほか、各紙とも総合面や経済面には関連記事を掲載。すでに昨日の社説でも報じた読売を除く5紙が、きょうの社説のテーマでも取り上げている。
それによると、朝日は「回線守る責任再認識を」とのタイトルで「生活インフラでこうした事態が続くのは、極めて遺憾だ」として、「原因を究明し、再発防止に万全を期す必要がある」と強調。毎日も「混乱深めた甘い危機想定」との見出しで「機械に故障はつきものである。サイバー攻撃などのリスクも高まっている。トラブルを防止し、発生しても影響を最小限に抑える取り組みを強化すべきだ」と指摘する。
産経も「再発防止が最大の責務だ」。さらに、日経も同様に「原因究明や再発防止、顧客への補償に向き合うべきだ」とも伝えている。
それにしても、朝日によると「若い世代では携帯しか持たない世帯が大半」であり、世帯主が20~29歳で固定電話を保有している割合はわずか9.5%。「通信障害の影響が深刻になった背景には、携帯電話が重要な通信手段になっていることがある」からだという。防災グッズのようにバックアップとしては「固定電話」の保有も考える必要があるようだ。
2022年7月5日付
●KDDI障害最大規模3915万回線、「ほぼ回復」(読売・1面)
●国際線サーチャージ過去最高へ、8月以降運賃超え水準も(朝日・6面)
●社用スマホ使えず混乱、私有携帯・固定電話・メールで対応、業務に支障、鉄道も物量も銀行も(朝日・7面)
●円安急進企業想定とずれ、日銀調査、収益圧迫の恐れ(毎日・6面)
●KDDI通信障害、格安スマホ拡販に水、回線を利用顧客が敬遠も(産経・13面)
●ホンダ、電動車開発進む、「無印」と自転車、中国販売、超小型EV、茨城で実験、30年実用化めざす(日経・14面)
●台風4号、九州上陸の恐れ、四国・北陸でも大雨警戒(日経・38面)