ロールスロイス初のEV『スペクター』プロトタイプの写真公開、2023年市販予定

市販に向けての開発テストの40%が終了

ロールスロイス独自のアルミ製アーキテクチャ

新しいフードマスコットを最初に採用

ロールスロイス史上最も剛性の高い市販モデルに

ロールスロイス・スペクター のプロトタイプ
ロールスロイス・スペクター のプロトタイプ全 10 枚

ロールスロイス(ロールス・ロイス・モーター・カーズ)は7月28日、2023年に市販予定のブランド初のEV『スペクター』の最新プロトタイプの写真を公開した。スペクターは、大型ボディの2ドアクーペEVとなる。

◆市販に向けての開発テストの40%が終了

ロールスロイスは2030年までに、すべての製品を電動化する目標を掲げている。スペクターは、この目標の実現に向けて、重要なモデルに位置付けられる。

スペクターは現在、南フランスのフレンチリビエラ地域において、走行テストに取り組んでいる。延べ250万kmにおよぶテストプログラムのうち、62万5000kmをフレンチリビエラ地域行う予定だ。すでに、市販に向けての開発テストの40%が終了したという。

フランスのリビエラとその周辺は、スペクターの顧客が求める走行条件を満たす道路環境にあるという。フランス南部の避暑地のコート・ダジュールの道路「コーニッシュ」から、内陸の高速道路まで、多岐にわたるテスト環境が整っているという。

◆ロールスロイス独自のアルミ製アーキテクチャ

スペクターには、ロールスロイス独自のアルミ製アーキテクチャが採用される。このアーキテクチャは2017年、『ファントム』で最初に採用された。設計の拡張性と柔軟性を持つスペースフレーム構造で、それ以来すべてのロールスロイス車に採用されている。『カリナン』や『ゴースト』などの内燃エンジ搭載モデルだけでなく、異なる種類のパワートレイン搭載車にも使えるという。

スペクターのスタイリングに関して、デザイナーは、『ファントムクーペ』をはじめ、ロールスロイスの過去のクーペを参考にした。その結果、スペクターは、ファストバックの大型クーペとする方向が決められた。

また、ファントムクーペの重要なデザイン要素として、ロールスロイスが何十年にもわたって継続してきた象徴的なスプリットヘッドライトを受け継いでいる。また、スペクターのホイールサイズは、23インチ。ロールスロイスによると、1926年以降では、23インチのホイールを装備した最初のクーペになるという。

◆新しいフードマスコットを最初に採用

ロールスロイス伝統のフードマスコットが、「スピリット・オブ・エクスタシー」だ。1911年2月6日にロールスロイスの知的財産として登録された。それから111年後の同じ日に、ロールスロイスはブランド初の量産EVのスペクターのボンネットを飾るために、スピリット・オブ・エクスタシーのデザイン変更を発表した。

女性の像はより低く、よりダイナミックに変更された。20世紀初頭にチャールズ・サイクスが描いたスケッチに近づいているという。新しいスピリット・オブ・エクスタシーの高さは82.73mmと、従来の100.01mmに対して、およそ20mm低い。車両のエアロダイナミクス性能に配慮したデザインを採用している。

また、従来のスピリット・オブ・エクスタシーは、両足をまっすぐにし、腰を前に傾けていた。一方、新しいスピリット・オブ・エクスタシーは、片足を前に出し、体を低くし、視線は前方をまっすぐに見据えている。

◆ロールスロイス史上最も剛性の高い市販モデルに

新しいスピリット・オブ・エクスタシーは、ブランド初の量産EVのスペクターの優れた空力特性に貢献しているという。スペクターの初期プロトタイプの前面空気抵抗を示すCd値は0.25。ロールスロイス史上、最もエアロダイナミクス性能の高い市販モデルになるという。

また、スペクターには、独自のスマートサスペンションシステムを搭載する。バッテリーパックを車体構造に組み込むことにより、剛性を30%向上させる。これにより、スペクターはロールスロイス史上、最も高剛性な市販モデルになるという。

ロールスロイスは2030年までにすべての製品の電動化を目指しており、スペクターがその第一弾に位置付けられる。スペクターは2023年の第4四半期(10~12月)、発売される予定だ。


《森脇稔》

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