【ドゥカティ デザートX 海外試乗】ドゥカティ謹製の最新オフローダーの実力とは…鈴木大五郎

専用設計によって実現した、オフロードでの走破性と軽快なライドフィール

L型2気筒エンジン搭載によって“ドゥカティらしさ”も忘れていない

同クラスとしては軽量な車重で取り回しの良さも特徴

ドゥカティ デザートX
ドゥカティ デザートX全 39 枚

WDW(ワールド・ドゥカティ・ウィーク)での収穫の1つは、この10月から12月頃に発売が予定されている『デザートX』に試乗できたこと。現地で乗れるとわかった時も「数キロだけでしょ?」と実はあまり期待していなかった。

ドゥカティ謹製の最新オフローダー『デザートX』

ドゥカティ デザートXドゥカティ デザートX

ところがWDWでの試乗枠は約1時間、距離にして40キロkmとかなりマシンの特性を理解することができた。ちなみにこのルート設定を行ったのは、パリ・ダカールラリーのレジェンドライダーでもあるベッペ氏。同氏は近年はドゥカティのジャーナリスト向け試乗会等で、ルート設定を行っていることも多い。

また、ドゥカティ独自のトレーニングプログラムであるDRE(ドゥカティ・ライディング・エクスペリエンス)のオフロード版、DRE アドベンチャーの責任者も務めている。そのコースは、ドゥカティの特性を理解しているからこその絶妙な設定。 さらに今回、DREアドベンチャーのミニ体験でオフロード走行も出来たのも収穫であった。(まさか乗れるとは思っていなかったので、装備がロード用なのはご了承願いたい。 )

ドゥカティの思い描くオフローダーが、独自開発のニューモデルとして登場

ドゥカティ デザートXドゥカティ デザートX

デザートXが我々の前に登場したのは2019年のEICMA(イタリア・ミラノショー)。その時には空冷エンジンを搭載しており、『スクランブラー』シリーズの派生モデルのようにも想像できた。しかし、その後のオンライン配信で12月に正式発表されたデザートXは水冷エンジンを搭載。スタイル重視のラリーモデルではなく、本格的なポテンシャル備えたマシンにして欲しいとの要望に対し、搭載されるのは937ccのテスタストレッタ11°エンジン。これは日本からの要望も大きかったという。

『モンスター』や『ムルティストラーダ950』、『ハイパーモタード』など多くのマシンに搭載される、現在ドゥカティの主力ともいえるL型2気筒エンジンが、デザートX用にセットアップされている。もちろんフレームやスイングアームも専用設計で、6軸IMUを搭載して最新の制御も満載のマシンとなっている。

ドゥカティ デザートXドゥカティ デザートX

シート高は875mmと数値的にはなかなかの高さ。これはムルティストラーダよりも高いものの、重さが全然違うので想像以上に不安感が少ない。走り出してすぐに乗り心地の良さとハンドリングの軽さを感じられた。

フロントに21インチホイールを装着するというのは、オフロードでの走行性能を向上させるために他ならない。しかし、まるで19インチホイールを装着しているかのような印象で、オフロードマシンをオンロードで走らせているといった感触は全くない。オンロードをかなりのペースで攻め立ててみても不安感はなく、荒れた路面も気にすることなくクリアしていく。なにより非常に軽快かつ、自由度の高いハンドリングが気持ち良くブレーキもよく効く。

ドゥカティ デザートXドゥカティ デザートX

もともとストップ&ゴーはさほど得意ではなかったドゥカティのエンジンであるが、それは過去のもの。特にこのテスタストレッタ11° はさすがの主力エンジン。開け始めからスムーズでトルクフルにフラットに吹け上がっていく。そして高回転域にはさらなるひと伸びがあって、スポーツバイクらしさも存分に感じられる。オートシフターの装備もありがたいものである。また202kgという重量は、オフロードにおいては決して軽量とはいえない。しかし、多くのライバルモデルと比較すれば軽量ともいえるだろう。

オフロードこそ本領発揮!どんな道もフレンドリーに走れるキャラクター

ドゥカティ デザートXドゥカティ デザートX

オンロードでの想像以上の走りにマシンのキャラクターを読み違えそうになったが、そのポテンシャルはやはりオフロードでも光るものだった。

ダート上でもスイスイとレスポンス良い身のこなしと軽快さは、オンロードで感じられたフィーリングと同系列のものである。足回りはストローク感があり、ギャップの吸収性も良好。ライディングモードはオンロード用に4種のほか、オフロード用に2種装備している。選択されたエンデューロモードは75馬力に設定され、トラクションコントロールやABSも最適化される。

ドゥカティ デザートXドゥカティ デザートX

コーナー立ち上がりでアクセルをワイドにオープンしても、ある程度スライドを許容してくれ、すぐに介入が始まってマシンの加速がスポイルされるような印象がない。スイングアームの長さもあり、制御を解除してもコントロール性が良さそうである。ラリーモードを選択すればフルパワーの110馬力となるが、これは基本的にオフロード用タイヤを装着していることが前提だろう。その本気度も伺い知れる。

ドゥカティ デザートXドゥカティ デザートX

ムルティストラーダに備わっているオフロード性能のレベルは低くない。とはいえネックとなる車重、そして装備されている装備から、オフロードに持ち込みたくないと考えるライダーは少なくないだろう。しかしデザートXはもっと気軽にオフロードに踏み入れる勇気をくれる。ドロドロに汚してもそれが様になるという、オフロード好き待望のマシンとなっている。

もちろんオンロードでのスポーツ性とともにツーリングシーンなど幅広いニーズに対応出来る懐の深さこそ、デザートX最大の魅力で間違いないだろう。

ドゥカティ デザートXと鈴木大五郎氏ドゥカティ デザートXと鈴木大五郎氏

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
ハンドリング:★★★★
扱いやすさ:★★★★
快適性:★★★★
オススメ度:★★★★

鈴木大五郎|モーターサイクルジャーナリスト
AMAスーパーバイクや鈴鹿8耐参戦など、レース畑のバックボーンをもつモーターサイクルジャーナリスト。1998年よりテスター業を開始し、これまで数百台に渡るマシンをテスト。現在はBMWモトラッドの公認インストラクターをはじめ、様々なメーカーやイベントでスクールを行なう。スポーツライディングの基礎の習得を目指すBKライディングスクール、ダートトラックの技術をベースにスキルアップを目指すBKスライディングスクールを主宰。

《鈴木大五郎》

鈴木大五郎

AMAスーパーバイクや鈴鹿8耐参戦など、レース畑のバックボーンをもつモーターサイクルジャーナリスト。1998年よりテスター業を開始し、これまで数百台に渡るマシンをテスト。現在はBMWモトラッドの公認インストラクターをはじめ、様々なメーカーやイベントでスクールを行なう。スポーツライディングの基礎の習得を目指すBKライディングスクール、ダートトラックの技術をベースにスキルアップを目指すBKスライディングスクールを主宰。

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