日産の新型商用車『タウンスター』、EVも用意 今秋欧州発売へ

EV版の航続は最大295km

ルノー日産三菱アライアンスの「CMF-C」車台

大型のスライドドア

EV版には「プロパイロット」搭載

日産 タウンスター
日産 タウンスター全 11 枚

日産自動車は8月16日、新開発の小型商用車(LCV)の『タウンスター』(Nissan Townstar)を今秋、欧州市場で発売すると発表した。

◆EV版の航続は最大295km

日産 タウンスター日産 タウンスター

タウンスターは、日産の事業構造改革計画の「Nissan NEXT」に基づいて導入される最新のモデルだ。『NV250』と『e-NV200』の後継モデルとして、欧州市場に投入される。また、欧州市場では『NV400』と『NV300』の後継モデルとして、『インタースター』と『プリマスター』も今後導入される予定だ。日産の欧州向け新世代LCVには、「スター(star)」の名称が付される。

タウンスターには、EVとガソリン車があり、どちらにもバンとワゴンの設定がある。ガソリン車には、現行の欧州の排出ガス規制の「Euro 6d」に適合した1.3リットルエンジンを搭載する。最大出力は130hp、最大トルクは24.5kgmを発生する。

EV版は、蓄電容量45kWhのバッテリーを搭載し、最新のエネルギーマネジメントシステムとバッテリー冷却システムを組み合わせ、1回の充電で最大295km(WLTP複合サイクル)の航続を可能にする。モーターは、最大出力122hp、最大トルク25kgmを引き出す。

◆ルノー日産三菱アライアンスの「CMF-C」車台

タウンスターは、ルノー日産三菱アライアンスの「CMF-C」プラットフォームをベースに、品質と機能性を追求した。また、欧州で販売される車種として初めて、日産の新しいブランドロゴを採用している。

ガソリン車は、織り模様のグリルを採用することで、シャープさやダイナミックさを強調した。フロントのエアカーテンは、フロントバンパーや前輪周りの空気の流れを最適化し、空気抵抗を低減することで燃費を向上させるという。

EV版には、特徴的なLEDヘッドランプや、組子模様とVモーションデザインが組み合わされ、空力に優れたフロントシールドなど、電動SUVの『アリア』のエクステリアの要素が反映されている。

◆大型のスライドドア

日産 タウンスター日産 タウンスター

最大3.9平方mの荷室スペースと可動式のパーティションを備え、木製パレット(ユーロパレット)2つと、800kgの荷物を運ぶことができる。また、最大で1500kgの牽引能力を持つ。荷室スペースには、荷降ろしを支援する大型のスライドドアや、オフィスツールを収納する専用スペースも設定した。

ワゴンの室内空間は、洗練されたシートやドアトリム、モダンなセンターコンソールやインストルメントパネルを採用した。バンは、多機能で便利な荷室を求める顧客のニーズに応えていく。

また、全ラインナップにApple「CarPlay」やグーグル「Android Auto」、ワイヤレス充電などのコネクテッド技術を搭載した。EV版には、さらなるコネクテッドサービスを導入する予定だ。

◆EV版には「プロパイロット」搭載

「トレーラースウェイコントロール」、「プロパイロットパーキング」(EVのみ)、「インテリジェントクルーズコントロール」(ガソリン車のみ)、「プロパイロット」(EVのみ)を搭載した。安全装備と先進運転支援システム(ADAS)は、20種類以上導入している。

中でも、「インテリジェントエマージェンシーブレーキ(歩行者・自転車検知とジャンクションアシスト機能付き)」は、対向車線を横切って曲がる時や、歩行者が道路を横断している時に、対向車との衝突回避・衝突による被害軽減を支援する技術だ。必要に応じて緊急ブレーキをかけ、衝突を回避する操作をドライバーに促す、としている。


《森脇稔》

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