[外部パワーアンプ・ワールド]ch数違いがさまざま、選ぶべきはどれ?

市販「外部パワーアンプ」の一例(アークオーディオ・ARC1000.6)。
市販「外部パワーアンプ」の一例(アークオーディオ・ARC1000.6)。全 6 枚

カーオーディオシステムのポテンシャルを高めようと思ったときには、「外部パワーアンプ」が頼りになる。当特集ではそうである理由から選び方のコツ、さらには使い方までを幅広く解説し、改めて「外部パワーアンプ」の魅力を浮き彫りにしようと試みている。

◆「外部パワーアンプ」には「ch数違い」がさまざまある!

今回から数回にわたっては、「外部パワーアンプ」にはどのようなものがあるのかを説明していく。

さて、前回の記事にて「4chパワーアンプ」を1台導入するのがベーシックな使用方法だと説明したが、「外部パワーアンプ」には「4chパワーアンプ」以外にも「ch数違い」がさまざまある。今回は、そこのところを深掘りしたい。

ちなみに使われることがもっとも多いのは前回の記事の中でも説明したとおり「4chパワーアンプ」だが、それ以外にも「モノラルパワーアンプ」「2chパワーアンプ」そして5chから8chくらいまでの「多chパワーアンプ」までがある。

なお、ステレオ音源を再生するには「2chパワーアンプ」が1台あればOKだ。音源には右chの信号と左chの信号、この2種類しか収められていないからだ。しかし、クルマではスピーカーは一般的に、フロントとリアの両方に付いている。なので「4chパワーアンプ」は、それらをすべて鳴らすためのもの、という側面も持っている。

しかし実際は、「4chパワーアンプ」にてフロントスピーカーとリアスピーカーの両方が鳴らされるケースは意外と少ない。そのような使われ方よりむしろ、フロントスピーカーとサブウーファーとが鳴らされるパターンがもっとも多く、それに続いてはフロント2ウェイスピーカーの左右計4つのスピーカーの1つ1つが「4chパワーアンプ」の1chずつで鳴らされるケースが多めだ。そしてこのどちらかを行えるがゆえに、「4chパワーアンプ」が使われることが多くなっている。

市販「外部パワーアンプ」の一例(アークオーディオ・KSシリーズ)。市販「外部パワーアンプ」の一例(アークオーディオ・KSシリーズ)。

◆より高性能なモデルを手にしたければ、「2chパワーアンプ」が狙い目!?

とはいえ、「2chパワーアンプ」を使うのももちろんアリだ。取り敢えずはフロントスピーカーだけを「外部パワーアンプ」で駆動できれば良いというのであれば、「2chパワーアンプ」に狙いを定めた方がより低予算で「外部パワーアンプ」を導入できる。

または、より高性能な「外部パワーアンプ」を使いたいと思ったときにも「2chパワーアンプ」はアドバンテージを発揮する。というのも、「外部パワーアンプ」は「ch数」が増えるほど価格が上がる。「ch数」が増えるごとに回路が1つずつ増えるわけで、必要なパーツの数もかけ算で増えていくからだ。

なので例えば、5万円の「2chパワーアンプ」があったとして、それと同等の性能の「4chパワーアンプ」を作ろうとすると、価格は10万円となる。

で、それとは逆の話も成り立つ。例えば10万円の「4chパワーアンプ」があったとして、このモデルの場合には「1ch」あたりの価格は2万5000円という計算になる。一方10万円の「2chパワーアンプ」は、「1ch」あたりの価格は5万円という計算になる。価格が2倍も違えば、性能差も相応に開く。というわけで、同じ価格の「4chパワーアンプ」と「2chパワーアンプ」とでは、後者の方が明らかに高性能だ。

市販「外部パワーアンプ」が搭載されたオーディオカーの一例(モレル・デモカー)。市販「外部パワーアンプ」が搭載されたオーディオカーの一例(モレル・デモカー)。

◆サブウーファーを鳴らすには「モノラルパワーアンプ」が力を発揮!

そしてもう1つ、「モノラルパワーアンプ」も使われることが案外多い。「モノラルパワーアンプ」とは、「1ch」分の出力しか持たないタイプの「パワーアンプ」だ。つまりこれ1台ではステレオ再生は行えない。

なのになぜに「モノラルタイプ」が存在しているのかというと、その理由は2つある。1つは、「サブウーファー用として向いているから」だ。サブウーファーは超低音の再生を担当するスピーカーユニットだが、超低音は音の出どころが分かりづらく、ましてや狭い車室内では余計にステレオ感を出しづらい。であるならばいっそ、モノラルで鳴らした方が制御がしやすくなる。

また出力を「1ch」に限定する分、ハイパワーなモデルに仕上げやすい。サブウーファーは振動板も磁気回路も大きく、しっかり鳴らすためにはパワーをかけたい。ゆえに「モノラルパワーアンプ」はサブウーファー用として適している。

で、「モノラルパワーアンプ」が存在しているもう1つの理由は、「高音質を追求するのにも向いているから」だ。なおこの件については、回を改めて解説する。

今回は以上だ。次回も「外部パワーアンプ」の「タイプ違い」について説明していく。お楽しみに。


《太田祥三》

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