LNG燃料フェリー2番船が進水、「さんふらわあ むらさき」と命名

「さんふらわあ むらさき」命名・進水式
「さんふらわあ むらさき」命名・進水式全 4 枚

三菱重工グループの三菱造船は30日、国内で2隻目のLNG(液化天然ガス)燃料フェリーの命名・進水式を三菱重工業下関造船所江浦工場(山口県下関市)で行なった。新造船は「さんふらわあ むらさき」と命名された。

「さんふらわあ むらさき」は、商船三井より三菱造船が2隻を受注して建造しているLNG燃料フェリーの2番船で、今年3月に進水した国内初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ くれない」に続く姉妹船。長さ約199.9m、幅28.0m、総トン数約1万7300トン、最大旅客定員数716人で、13mトラック約137台および乗用車約100台の積載能力がある。

「さんふらわあ むらさき」の主機関は、LNGとA重油それぞれを燃料として使用できるデュアルフューエルエンジンを搭載し、CO2の排出量が従来比20%以上削減、SOx(硫黄酸化物)の排出量がほぼゼロという環境性能を達成する。

また、既存船の「さんふらわあ あいぼり/さんふらわあ こばると」に比べてトラックの積載台数を大幅に増やし、客室区画のドライバーズルームを拡充し、モーダルシフトへ対応する。日本国内の物流においては、陸上輸送のCO2削減、長距離ドライバー不足・働き方改革の観点から、海上へのモーダルシフトが進行している。三菱造船によると、それに伴ってフェリー・RORO船などへの需要や、船舶の大型化ニーズも高まっているという。

さらに「さんふらわあ むらさき」は、大浴場とレストランの拡大や3層吹き抜けのアトリウムをはじめとしたゆとりある開放的なパブリックスペースを設置するなど、カジュアルクルーズ進化にも貢献する。

既存船の「さんふらわあ あいぼり/さんふらわあ こばると」は、長さ約153.0m、幅25.0m、総トン数約9245トン、最大旅客定員数710人。新造船は総トン数が約2倍になっていながら旅客定員はほぼ変わらないので、拡大したスペースは自動車の積載台数や定員1人あたりの面積の拡大に充てられたことがわかる。

「さんふらわあ むらさき」は今後、艤装工事、試運転などを経て2023年3月に引き渡された後、1997年から運航する「さんふらわあ あいぼり/さんふらわあ こばると」の代替船として、フェリーさんふらわあが運航する大阪~別府航路に就航する。

なおLNG燃料フェリー1番船の「さんふらわあ くれない」は同航路に2023年1月より就航予定だ。


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《高木啓》

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