北陸新幹線敦賀以南、2023年度の着工は「微妙」…斉藤国交相「予算編成過程での調整次第」

北陸新幹線敦賀駅の高架橋工事(2022年7月時点)。
北陸新幹線敦賀駅の高架橋工事(2022年7月時点)。全 2 枚

斉藤鉄夫国土交通大臣は8月30日に開かれた定例会見で、整備新幹線として建設される北陸新幹線敦賀~新大阪間について記者の質問に答えた。

整備新幹線については、建設中の北海道新幹線新函館北斗~札幌間で資材価格の高騰、自然条件や関係法令の改正への対応が生じていること。未着工の北陸新幹線敦賀~新大阪間では環境への影響を懸念して一部地域で建設反対の意見があるため、環境影響評価(環境アセスメント)の現地調査が当初計画より遅れていることが明らかにされている。

構想されている北陸新幹線敦賀~新大阪間の延伸ルート。構想されている北陸新幹線敦賀~新大阪間の延伸ルート。

その最中、8月25日には国土交通省から2023年度の整備新幹線建設費概算予算として804億円が要求されているが、斉藤大臣はこれらの事情により概算要求時に事業内容を明らかにすることが困難であることから、追加的に発生する経費については、予算編成過程で内容が明らかになった際に要求する「事項要求」で対応すると述べた。

このうち、北陸新幹線敦賀~新大阪間については与党・整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(与党PT)が2023年度当初の着工を決議しており、斉藤大臣は「決議の内容を重く受け止めている」としながらも、京都駅や新大阪駅の位置や工法、地下水への影響、発生土処理といった課題についても精査が必要不可欠で、与党PTの決議どおりに着工できるか否かについては「今後の予算編成過程において調整することとしています」と述べるに留めている。

また、与党PTの一部から出ている、全線の着工条件が出揃わない場合でも着工可能な区間から建設を進めるという声についても、同様の考えを示している。


《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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