水素でディーゼルエンジンの排ガスを改善…FC EXPO 2022

ディーゼルの燃焼に水素をまぜる技術(FC EXPO 2022)
ディーゼルの燃焼に水素をまぜる技術(FC EXPO 2022)全 4 枚

エントランスフォーメーションは、北米HOD Tec社のD-HAT(ディーゼル水素アシストテクノロジー)を使ったディーゼルエンジン排ガス改善システムを、FC EXPO 水素・燃料電池展 / スマートエネルギーWeek 2022に展示していた。

北米では古いトラックにこれをつけて排気ガス規制をクリアしている

システムといっても約30cm角のボックス状のユニットで12Vまたは24Vのバッテリー電源で動作する。水素を使うというので、新しいFCスタックや一部で話題の水素燃焼エンジンのたぐいかと思ったら、そうではない。内部に約9Lの水タンクを持ち、電気分解で水素を発生する装置だ。生成した水素をインテークから燃焼室に送り込む。水素と燃料が結合することで、燃焼効率を上げ有害物質の生成を抑えるという技術だ。

水は蒸留水を使うが、約9Lの水でおよそ2000km分の走行が可能だという。燃焼および排ガスの改善効果は、燃料消費を約10%向上させ、DPMを64%、NOxを77%、CO2を10%以上、それぞれ削減できるという。関連してカーボンスラッジなど堆積物を低減させ、DPフィルターの寿命も50%ほど伸ばすとも。これは、メンテナンスコストの削減につながる特性だ。

北米では排ガスをEPA/CARB基準値以下にすることができ、古いトラックなどにの排気ガス規制対策に活用されているという。本体は200万円ほどするらしいが、大型トラックを買い替える必要がなくなれば選択する事業者もいるだろう。ただしエンジン排気量は8L以上あることが理想だそうだ。小型トラックにはコスト的にも厳しいかもしれない。

日野はこの技術を使っていればあるいは……、とそんなことをふと思ってしまった。


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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