留萌本線・石狩沼田-留萌間、2023年9月30日付け廃止を届出…4月1日に繰上げの意向

NHK朝ドラ『すずらん』のロケのため、真岡鐵道のC12 66をレンタルして1998年12月に走ったロケ列車。旧型客車はJR東日本からのレンタル。ロケは1999年春以降にも行なわれたが、その時はC11 171に変わっている。
NHK朝ドラ『すずらん』のロケのため、真岡鐵道のC12 66をレンタルして1998年12月に走ったロケ列車。旧型客車はJR東日本からのレンタル。ロケは1999年春以降にも行なわれたが、その時はC11 171に変わっている。全 8 枚

JR北海道は9月9日、留萌本線石狩沼田~留萌間35.7kmの鉄道事業廃止を国土交通大臣に届け出たと発表した。

留萌本線は深川駅(北海道深川市)と留萌駅(北海道留萌市)を結ぶ50.1kmの路線で、1910年11月に留萠線として現在の深川~留萠(現・留萌)間が開業。さらに1921年11月には留萠~増毛(ましけ)間も開業したが、2016年12月に廃止されている。

23年前の留萌本線・留萌駅。駅舎は1967年に建てられ現在も使用。当時はNHK朝の連続テレビ小説『すずらん』の舞台が留萌本線になったため、ドラマにちなんだ大看板が掲げられていた。なお、留萌の「萌」は線名とともに1997年3月まで「萠」となっていた。1999年4月29日。23年前の留萌本線・留萌駅。駅舎は1967年に建てられ現在も使用。当時はNHK朝の連続テレビ小説『すずらん』の舞台が留萌本線になったため、ドラマにちなんだ大看板が掲げられていた。なお、留萌の「萌」は線名とともに1997年3月まで「萠」となっていた。1999年4月29日。
「明日萌駅」こと、恵比島駅でのドラマ『すずらん』ロケ風景。1999年5月10日。「明日萌駅」こと、恵比島駅でのドラマ『すずらん』ロケ風景。1999年5月10日。

開業以来、ニシン漁や石炭搬出などで賑わい、国鉄時代は札幌や旭川から直通急行が運行されたこともあったが、JR移行後は普通列車が運行されるだけの純然たるローカル線に落ち着いていた。しかし、沼田町内の恵比島駅が1999年に放映されたNHK朝の連続ドラマ『すずらん』の舞台となったことから脚光を浴び、同年5月からはC11形蒸気機関車171号機を動態復元した上で『SLすずらん号』の運行が深川~留萌間で開始され、2006年まで運行された。

『SLすずらん号』一番列車の出発式。1999年5月1日。同列車が運行されていた時期が留萌本線にとって最後の輝きだったのかもしれない。『SLすずらん号』一番列車の出発式。1999年5月1日。同列車が運行されていた時期が留萌本線にとって最後の輝きだったのかもしれない。留萌駅に到着した『SLすずらん号』の試運転列車。1999年4月29日。なお、後部の客車は当初、青だったが、営業運転直前にぶどう色に塗り替えられた。留萌駅に到着した『SLすずらん号』の試運転列車。1999年4月29日。なお、後部の客車は当初、青だったが、営業運転直前にぶどう色に塗り替えられた。

留萌~増毛間の廃止後は、留萌駅が新たな留萌本線の終点となったが、かつては国鉄羽幌線(留萌~羽幌~幌延)や私鉄の天塩炭礦鉄道(留萌~達布)、臨港線も乗り入れ、鉄道の要衝とされていたこの駅も、駅舎寄りの1番線ホームで列車が折り返すだけになってしまった。

現在、留萌駅では唯一、列車が発着する1番線ホーム。留萌~増毛間の廃止前はここで車両の増解結が行なわれていた。2016年9月。現在、留萌駅では唯一、列車が発着する1番線ホーム。留萌~増毛間の廃止前はここで車両の増解結が行なわれていた。2016年9月。

留萌本線の廃止は8月30日に沿線の深川市、秩父別町、沼田町、留萌市が合意しており、JR北海道の発表によると廃止予定日を2023年9月30日としているが、国土交通省北海道運輸局における意見聴取の場で廃止日の繰上げを陳述するとしており、認められれば2023年4月1日に廃止するとしている。

なお、残る深川~石狩沼田間は2026年3月に廃止することが合意されている。

2023年から留萌本線の新たな終点となる石狩沼田駅。かつては札沼線新十津川~石狩沼田間の廃止代替バスも発着していた。1999年4月27日。2023年から留萌本線の新たな終点となる石狩沼田駅。かつては札沼線新十津川~石狩沼田間の廃止代替バスも発着していた。1999年4月27日。

《佐藤正樹》

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