環境対策・ESG・人権は報酬にも連動する経営ミッション…日産のサスティナビリティ

日産 アリア
日産 アリア全 8 枚

9月某日、日産自動車 専務執行役員/チーフ サステナビリティ オフィサー 田川丈二氏が、自社のサスティナビリティへの取り組みについて記者向けのラウンドテーブルを開催した。

グローバル企業がESGに取り組むのは、それが経営課題だからだ。短期的な利益やビジネスにとらわれ環境問題や温暖化対策に取り組まない企業は、長期的には世界経済に悪影響を及ぼすとして投資対象からはずされ資金調達にも影響する。

冒頭10分弱で日産のサステナビリティへの取り組みの概要の紹介があり、残りの30分はすべて記者とのQAセッションに充てられた。主催者側のプレゼンは最小限とし、記者との議論や質問のやり取りがメインとしたのも、同社が環境問題について、自社スタンスの一方的なPRにせず、双方向の議論を重視したからだろう。

EVはトータルで脱炭素にならないのか?

最初の質問は海外メディアのジャーナリストからだ。「EVの脱炭素(クリーン化)は主な発電ソースのクリーン度に依存する。石炭や天然ガスで発電している状態では内燃機関に対して大きなアドバンテージにならない。この点について、自動車メーカーの役割、日産の考えを教えてほしい。また、原子力発電についてはどう思うか」という質問。

これに対して田川氏は、「重要なポイントだ。Well to Wheelの考え方ではご指摘は正しい。バッテリー製造のステージでは、一般的な内燃機関より厳しいというのはよく知られている。しかし、トータルのCO2はエネルギーソースの構成、エネルギーミックスに依存する。世界は化石燃料の依存度を下げるためエネルギーの転換を進めているが、ここは単一の自動車メーカーの取り組みでは完結しない。日本および各国政府にクリーンエネルギーの拡大を働きかけている。現在の日本の電源構成では、カーボンニュートラルの点でEUのEVより不利だからだ」とした。

日産の取り組みは?

自動車メーカーとしてできること、役割については「工場の脱炭素化」「EV36ZERO」「バッテリーのエネルギーストレージとしての活用」を挙げた。これらはすでに各国で始まっている取り組みだ。工場の効率を上げ、再エネ由来マイクログリッドからの電力供給にすることでCO2排出を抑える。電力会社と協力してバッテリーのリサイクル、エネルギーストレージとして実用を進めている。


《中尾真二》

アクセスランキング

  1. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  2. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  3. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  4. 『GRカローラ』『フリード』『ソリオ』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が適合
  5. ホットハッチの名車『205 GTi』の再来、『E-208 GTi』にSNS興奮!「ヤバいホイール」などデザインにも熱視線
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  5. アステモの軽EV用インホイールモーターやジヤトコの2モーターK12マーチなど、国内サプライヤー技術が熱い!…人とくるまのテクノロジー展2025
ランキングをもっと見る