競合はカムロードかコースターか…フィアット『デュカト』ベースのキャンピングカーの展望

デュカトをベースにした東和モータースの「クリフ アドベンチャーエディション」
デュカトをベースにした東和モータースの「クリフ アドベンチャーエディション」全 19 枚

先日、日本正規販売が発表されたフィアットデュカト」。「横浜キャンピングカーショー2022」でもデュカトベースのフルコンが複数出展されていた。そこで、正規販売になることで、どのような影響がもたらされるのか、事情を聞いた。

【画像全19枚】

◆部品供給や整備体制の強化に期待

デュカトは日本で正規販売される前からキャンピングカーのベース車両としてはおなじみの存在。しかし、基本的には海外で作られたものを並行輸入のような形で販売していたのが現状だ。

キャンピングカーは国産のものでも、修理をするとなると、対応してくれる工場が限られる場合が多い。それが輸入車となれば、余計に限定される。そして、輸入している販売会社は海外のビルダーと契約しているとはいえ、国産車や正規輸入のクルマほどはスムーズに部品供給がされないリスクは高まってしまう。

それが今回、国内の正規販売が決まったことで、故障やメンテナンスの障害が減ることになるため、整備の不安から二の足を踏んでいた人が購入を決めるケースが増えることが予想される。

◆正規販売開始後も並行輸入は続く

デュカトをベースにしたデルタリンクの「ツイン 540 SP 2022年モデル」デュカトをベースにしたデルタリンクの「ツイン 540 SP 2022年モデル」

正規販売が発表になったが、キャンピングカーを仕立てるのには時間がかかる。通常、ベース車両が出て半年から1年くらいしてから活性化するものだ。

つまり、今回の横浜キャンピングカーショー2022で出展していたデュカトのキャンピングカーは、どれも並行輸入したものということになる。

さて、先日、正規販売が発表になった際、取り扱いを始めるビルダーも明らかになった。しかし、現在デュカトのキャンピングカーを扱っている会社が全て含まれている訳ではなかった。

そもそも、デュカトのキャンピングカーを扱う会社の中には、海外の有名ビルダーと契約して輸入している販売会社のようなところが多かった。ゆえに、国内正規販売が始まったからといって、すぐに並行輸入がなくなることは考えにくいのだ。

◆ライバルは、あえて言うなら「デュカト」自身?!

サイズ的にはライバル一番手のトヨタ・カムロードベースのキャンピングカー(ダイレクトカーズ「トリップ ログベース」)サイズ的にはライバル一番手のトヨタ・カムロードベースのキャンピングカー(ダイレクトカーズ「トリップ ログベース」)

デュカトのキャンピングカーは主にフルコンと呼ばれるキャンピングカーでも最も大きいカテゴリーに属す。とはいえ、日本では駐車場事情などもあり、人気は全長5400mm程度のキャブコンサイズのモデルで、ライバルとしてはトヨタの『カムロード』が真っ先に考えられ、次に『コースター』も思い浮かぶ。

しかし、デュカトを取り扱ういくつかの会社の担当者に話を聞くと、「ライバルはいない」と口を揃える。

その理由として彼らが挙げるのが、高速での走行安定性や安全性能などを挙げる。そもそも、デュカトは商用バンであるのに対し、カムロードはトラック、コースターはマイクロバスという性格の違うクルマだ。足回りの強化をしたり、オートクルーズが欲しいなどという場合には、デュカトを選ぶ方がスマートかもしれない。

加えて、日本よりもキャンピングカー文化が華やかなヨーロッパで磨かれたデュカトは、ボディにしても、装備品にしても、洗練されたものが多い印象だ。

今後、デュカト対他の車種ではなく、国内正規販売のデュカトを使用した日本のビルダーが、日本の技術を活かし、日本の事情に合わせた提案を行ってくるキャンピングカーと、ヨーロッパで実績を重ねた輸入者のデュカトのキャンピングカーが鎬を削るという形も十分に考えられる。

◆国内販売のデュカトに集まる「4WD」の要望

キャンピングカーベースとなるフィアット デュカトキャンピングカーベースとなるフィアット デュカト

デュカトはイタリアのクルマ。右側通行と左側通行の違いもあり、日本の正規販売品が入ってくると、スライドドアの位置をはじめ、より日本で使いやすいものになってくる。

ただ、気になったのが「4WD」を求める声がちらほら聞こえてくることだ。本国仕様には4WDの設定があり、これまで、デュカトのキャンピングカーを購入したという人の中にも4WDを選んだという人も少なからずいる。しかし、残念ながら日本仕様は現状、4WDの設定はない。

取り扱う会社やオーナーに聞けば、「北海道や東北の豪雪地帯でも2WDでも問題を感じなかった」というが、「4WDであるに越したことはない」という人もいるだろう。このことに限らず、日本向けにどのように展開してくるのかは注目だ。


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