バフェットが投資する中国EVメーカー「BYD」、テスラとの違いは?

バフェットが投資する中国EVメーカー「BYD」、テスラとの違いは?
バフェットが投資する中国EVメーカー「BYD」、テスラとの違いは?全 10 枚

世界的な投資家であるウォーレン・バフェット氏がCEOを勤めるバークシャー・ハサウェイが、長期的に投資している中国企業があります。その企業はBYD(比亜迪汽車)という電気自動車(EV)メーカーで、バークシャー・ハサウェイはBYDが発行している株式の7.7%にあたる2.25億株を2008年9月から保有しています。

2008年9月時点の投資額は23.2億ドル(約232億円)でしたが、2021年12月31日時点の評価額は76.93億ドル(約7693億円)、実に33倍を超える価値に成長しています。一方、同じくEVメーカーであるアメリカのテスラ社は、バフェット氏からの出資を受けていません。今回の記事では、バフェット氏から出資を受け着実に成長を遂げているBYDを取り上げて、会社概要や成長要因を深掘りしていきます。また、バフェット氏が株式を保有しているBYDと、世界第1位のEVメーカー・テスラではどのような違いがあるのか、という点についても分析していきます。

◆BYDの事業概要

BYD本社のEVステーションBYD本社のEVステーション

BYDは1995年に中国の深圳市でバッテリーメーカーとして創業し、2002年に香港証券取引所に上場しています。自動車メーカーとしての成り立ちは、2003年に小型車メーカー・西安秦川汽車を買収し、BYDの自動車部門「BYD汽車」が設立されたところから始まっています。現在でも、「電気自動車事業」「モノレール事業」「環境エネルギー事業」「ITエレクトロニクス事業」と4つの事業を展開しています。

PHEV(プラグインハイブリッドカー)を含めたEVメーカーとしては、テスラに次ぐ世界第2位に位置しています。特徴は、テスラと同じ垂直統合型モデル(製品の開発から生産、販売までを自社グループ内で行うこと)の体制を持っている点で、ガラスとタイヤ以外は自社で作るほど内製化が進んでいます。車載電池メーカーとしても中国で第2位の実績があり、自社製の電池を自社だけでなく他社のEVにも供給しています。

◆BYDの業績

BYDの営業利益は前年の2270億円から半減し、FY2021で1065億円でした。うち、自動車関連事業(EV、PHEV)の売上はYoY+34%と好調です。

営業利益は前年(FY2020)の2270億円から半減し、FY2021で1065億円でした。この営業利益の減少は、原材料費高騰の影響が大きく影響しています。Y2020以前の営業利益率の水準は約5.5%で、日本の自動車メーカーと比較すると、トヨタの8.1%には劣りますが、ホンダの5%と同等の水準となっています。

一方、テスラのFY2021の通期営業利益率は12.1%で、直近FY2022Q1の四半期営業利益率は19.2%となっており、すでに世界最高水準の利益率でありながら、その水準を高めています。

主要11か国と北欧3か国の合計販売台数と電気自動車およびHVシェアの推移主要11か国と北欧3か国の合計販売台数と電気自動車およびHVシェアの推移

ここまでは、電気自動車メーカーとして世界第2位のBYDの企業概要、業績を解説してきました。「決算が読めるようになるノート」の記事『ウォーレン・バフェットが大量保有する電気自動車会社BYD、Teslaと何が違うのか?』では、BYDとテスラを比較し、同じ電気自動車メーカーでありながらどのような違いがあるのか分析しています。さらに、BYD躍進の要因や戦略についても迫っていきます。

記事本文はこちら⇒Q.ウォーレン・バフェットが大量保有する電気自動車会社BYD、Teslaと何が違うのか?

※この記事では、1ドル=100円、1元=20円として記載しています。

《決算が読めるようになるノート》

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