ベントレー、42台の旧車を一堂に…「ヘリテージガレージ」を英国に開業

今日のベントレーがどこから来たのかを示す「ヘリテージコレクション」は重要な役割

ベントレーの歴史において何らかの特別な意味を持つ42台

2003年発表の『コンチネンタルGT』は大幅な量産を可能にしたモデル

ベントレーの「ヘリテージガレージ」
ベントレーの「ヘリテージガレージ」全 8 枚

ベントレー(Bentley)は10月11日、ブランドの歴史を伝える新たな「ヘリテージガレージ」を、英国クルーの工場跡地にオープンした、と発表した。

◆今日のベントレーがどこから来たのかを示す「ヘリテージコレクション」は重要な役割

ヘリテージガレージには、42台の「ヘリテージコレクション」を展示する。ヘリテージガレージには現在、1919年以降に製造された22台のコレクションが展示されている。最終的にはクルーで製造された1946年以降の車両に焦点を当てる予定だ。

この新しい施設によって、ヘリテージコレクションのすべての車両が、初めてベントレーの敷地内に保管されることになった。ヘリテージガレージは、1930年代に建てられたレンガ造りの工場内にある。明るく開放的なこの場所は工場の中心であり、工場内を歩くと目に触れる場所だ。また、ガレージはベントレーの美しいビンテージカーに囲まれたイベントスペースとして利用されている。

ベントレーが「ビヨンド100」戦略において、変革を続ける中で、今日のベントレーがどこから来たのかを明確に示すヘリテージコレクションは、重要な役割を担っているという。

◆ベントレーの歴史において何らかの特別な意味を持つ42台

コレクションに含まれる42台の車のすべてが、ベントレーの歴史において何らかの特別な意味を持っている。ヘリテージコレクションの「クリックルウッド」セクションには、最も象徴的な戦前のベントレーの数々が展示されている。出発点は、W.O.ベントレーが製造した2番目の車であり、世界で最も古いベントレー『EXP2』だ。次に、2台の『ブロワー』(うち1台は現存するベントレーの中で最も価値の高いチームカー#2)、1929年式の『スピードシックス』、そしてW.O.ベントレーが2年間にわたり愛用した1930年式の『8リッター』が続く。

『マークVI』は、クルー工場から出荷された最初の車だ。ヘリテージコレクションの「AGO 2」は、黒地にグリーンのツートンカラーで仕上げられ、1938年式の『4 1/4 リッター・エンビリコス』と1952年式の『タイプRコンチネンタル』をつなぐ重要な役割を担っている。

1959年にデビューしたジャック・フィリップス設計のアルミ合金製V8エンジンも、物語をつなぐ上で重要という。自然吸気エンジンは、ヘリテージコレクションの1963年式『S3』スタンダード・サルーンの「176 FGH」、会長の社用車として使用されたコンバーチブルタイプの1984年式ベントレー『コンチネンタル』の「A455 YGJ」に搭載されている。

◆2003年発表の『コンチネンタルGT』は大幅な量産を可能にしたモデル

ヘリテージコレクションには、6.75リットルV8ターボエンジンを搭載した1991年式『ターボR』や、フォルクスワーゲングループ傘下で初めて生産された2001年式の『アルナージ・レッドレーベル』などが展示されている。ファイヤーグローレッドで仕上げられたこの車両は、ベントレーの歴史におけるターニングポイントの1つを示すものという。

6.75リットルV8エンジンは、『ミュルザンヌ』のパワートレインとして採用され、最大出力512ps、最大トルク104kgmを発揮し、最高速296km/h、0~100km/h加速5.1秒の性能を実現していた。ヘリテージコレクションに採用されたミュルザンヌは、シャシー「000002」で生産ラインから2番目に出荷されたモデル。インペリアルブルーで仕上げられ、インテリアはショートブレッド仕上げだ

2003年に発表された『コンチネンタルGT』は、ベントレーにとって、大幅な量産を可能にしたモデルだ。それまでベントレーは、コーチビルドカーを年間1000台以下しか生産していなかったが、コンチネンタルGTからは、その10倍以上の台数が生産可能に。ヘリテージコレクションのシャシーナンバー「20001」は、サイプレスグリーンの右ハンドルモデルで、クルーの生産ラインから最初に出荷されたコンチネンタルGTだ。

その後ベントレーは、コンパクトでパワフルな6.0リットルW12エンジンを開発した。W12エンジンを搭載したヘリテージコレクションモデルには、3世代の『フライングスパー』と高性能クーペ『コンチネンタルスーパースポーツ』の両世代が含まれている。また、汎用性の高いW12を搭載した2016年式『ベンテイガ』のシャシー「00001」は、生産第一号車で、ベントレーの103年の歴史の中で最も重要なモデルのひとつになるという。

4.0 リットルV8を搭載した車両としては、2014年に発売された『コンチネンタルGT V8S』 がヘリテージコレクションに採用された。1950年代半ば以来、初めてベントレーのV8が一新され、現在ではベントレーのすべてのラインナップでこの4.0リットルV8が搭載されている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  2. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
  3. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  4. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る