「コントロール機能の追加」で純正スピーカーの音が化ける[プロが教える:カーオーディオ初めてプラン]

パワーアンプ内蔵DSPの一例(ミューディメンション・DSP610AB)。
パワーアンプ内蔵DSPの一例(ミューディメンション・DSP610AB)。全 4 枚

「ドライブと音楽はセット」、そう考えているドライバーは少なくないに違いない。その音楽が、今よりもっと良い音で楽しめるとしたらどうだろう。当特集では、それを実現させる“スタートプラン”を紹介している。

今回は、大阪府堺市に店舗を構える名店、“AVカンサイ堺店”に話を訊いた。

◆純正スピーカーの“役割分担”を見直すと、サウンドがガラリと変わる!?

これまでは“スピーカー交換”の具体的な“スタートプラン”を紹介してきたが、今回は“コントロール機能の追加”という作戦にスポットを当てる。まずは“AVカンサイ堺店”の岩田店長に、これがどういうものなのかを教えてもらった。

「純正オーディオの音にご不満がある場合、スピーカーの鳴らし方を変えることでもその解消が図れます。特に、サウンド制御がかけられていたり複雑化したりしている純正システムが搭載されているクルマでは、大きな効果が得られます。逆に、そういったクルマではスピーカーを換えてもパリッとしません。

しかし“DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)”を導入して各スピーカーの“役割分担”を変更し、さらには各スピーカーから放たれる音の到達タイミングを整え直すと、純正スピーカーの音が化けます。

例えばBMWでは、標準的な純正オーディオ搭載車の場合シート下のウーファーとドアスピーカーの両方がフルレンジで鳴らされています。しかし“DSP”を導入しそれぞれに得意な帯域だけを受け持たせれば、さらにはツイーターをしっかり鳴らし出過ぎていた低音を引き締めれば、聴こえ方がガラリと変わります」

パワーアンプ内蔵DSPの一例(ミューディメンション・DSP610AB)。パワーアンプ内蔵DSPの一例(ミューディメンション・DSP610AB)。

◆税込20万円ほどの予算で、満足度高く実行可能!

それを行うには、どのくらいの予算が必要なのだろうか。

「さまざまな方法がありますが、以下のようなやり方であれば税込20万円ほどでいけると思います。パワーアンプを内蔵した“DSP”で使いやすいモデルが12万円ほどでありそれを使えば、電源配線とスピーカー配線を行って部材代と工賃を含めてそれくらいで収まるはずです(車種によって異なる場合がある)。

なお電源配線は、車両のメインバッテリーから直接引き込む“バッ直”を行います。で、これを行うにはケーブルが新たに必要になりますが、スピーカーケーブルは可能な限り純正品を使っても良いと思います。もちろん市販品に換えればさらに音が良くなりますが、お手軽さを重視される場合にはその限りではありません」

どのような“DSP”を使うと良いのだろうか。

「まずはスピーカーレベル入力が6ch以上あるモデルがお薦めです。そうであれば純正システムのフロントとリアの音声を入力できます。普段は“DSP”にスマホを繋げて音楽を聴くにしても、純正オーディオも活かしたいですから。

またコントロール可能なch数は、8ch以上あると良いですね。フロント3ウェイ+リア、またはフロント2ウェイ+リア+サブウーファーまでシステム発展が可能です」

単体DSPの一例(ヘリックス・DSP.3S)。単体DSPの一例(ヘリックス・DSP.3S)。

◆単体DSP+外部パワーアンプ、という選択肢もアリ!

続いては、お薦めモデルを教えてもらった。

「新しいところでは、ミューディメンションの『DSP610AB』(税抜価格;12万円)がお薦めです。当機は6ch分のハイレベル入力を持ち、コントロール可能なch数は10ありますので、対応力・発展力ともに不足がありません。またBluetoothに対応していますので、ペアリングしたスマホ等を車内に持ち込めば自動でそれが接続されます。加えて純正オーディオの音声信号の常時入力も可能ですので、音楽を聴きながらナビ音声も聞こえます。

もう1つ挙げるとすると、ヘリックスの『DSP.3S』(税抜価格:12万円)もお薦めです。こちらはパワーアンプを内蔵していませんので別途外部パワーアンプが必要になりますが、外部パワーアンプを選ぶ楽しさも味わえますし後々長くお使いいただけると思います。

なおその下の同『DSP MINI MKll』(税抜価格:7万円)を選ぶという手もあるのですが、当機はコントロール可能なch数が6なので、後々物足りなくなるかもしれません。クルマを乗り換えてもユニットが引き続き使える(可能性が高い)のがカーオーディオの魅力でもあると思うんです。少し高価に感じられても、長く楽しめるものをお選びいただいた方が満足度は高まると思います。

ちなみに組み合わせる外部パワーアンプは、とりあえずはリーズナブルなモデルで良いと思います。手頃なモデルでも内蔵パワーアンプと比べて音が良い場合は多いです。

お近くでしたらお気軽にお越しください。さまざまなご提案ができると思います。お待ちしています」

《太田祥三》

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