東京都大田区と東急電鉄(東急)は10月21日、新空港線の整備へ向けた第3セクター会社として、10月14日に『羽田エアポートライン株式会社』を設立したことを明らかにした。
新空港線は、東急多摩川線矢口渡(やぐちのわたし)駅付近から地下に入り、東急蒲田、京急蒲田の両地下駅を通り、大鳥居駅の手前で京浜急行電鉄(京急)空港線に乗り入れる通称「蒲蒲線」と呼ばれる路線で、1989年に初めて構想が示された。

その後、整備促進運動が展開された結果、2000年の運輸政策審議会(当時)では「京浜急行電鉄空港線と東京急行電鉄目蒲線を短絡する路線の新設」として答申。
また、2016年の交通政策審議会では「矢口渡から京急蒲田の事業計画の検討は進んでおり、事業化に向けて関係地方公共団体・鉄道事業者等において、費用負担のあり方等について合意形成を進めるべき」とされた。
そして、2022年6月には東京都と大田区が国の都市鉄道利便増進事業補助を利用することを想定した上で、補助対象経費の3分の1以内とされる地方負担分のうち、東京都が3割、大田区が7割を負担することで合意している。
最終的には羽田空港への新ルートとして整備される計画だが、東急と京急で軌間が異なるため、整備は第1期として矢口渡~京急蒲田間を狭軌で、第2期として残る大鳥居までを標準軌で行なうとしており、800mほど離れたJR・東急の蒲田駅と京急蒲田駅とのアクセス改善が期待されている。
羽田エアポートラインはその整備へ向け、環境影響評価や認可申請の手続きを行う会社として、大田区61%、東急39%の出資比率で設立。「今後、新空港線の事業化に向けて、羽田エアポートライン株式会社が中心となって矢口渡~京急蒲田間の検討の深度化を進めていきます」としている。
