オンデマンドEVシャトルで急成長するCleverShuttle 、効率化のカギは[インタビュー]

ドレスデンでのサービス車両
ドレスデンでのサービス車両全 4 枚

社会が高齢化するとともに、公共交通が利用者減少で衰退し、交通弱者の数も増えるという悪循環が生まれている。これは日本だけの課題でなく、先進諸国でも同様だ。

ドイツでは、地方自治体と組んでオンデマンドシャトルを提供するサービス企業「CleverShuttle(クレバーシャトル)」が急成長している。同社は、起業当初は乗合EVタクシー事業を展開していたが、パンデミックの影響で業態変更に踏み切り、現在は交通弱者を抱える地方自治体に対して、オンデマンドEVシャトルのサービスを提供するB2Gビジネスを主業としている。

乗合EVタクシーを運営してきた当時からのノウハウを活かし、配車アプリ、EV車両のメンテナンス、ドライバーのリソースと充電タイミングを最適化した稼働率の向上策など、競合他社にはないユニークな企業アセットを強みとしている。このような特徴が、サスティナブルなオンデマンドモビリティを求める地方自治体から多くの支持を受けているという。

同社のコーデュラ・ファンク氏(Senior Public Affairs Manager)に、EVシャトルサービス運営のノウハウや同社の強み、今後のサービスの可能性について聞いた。

ドイツ各地で広がるオンデマンドEVシャトル

---:以前のB2C乗合タクシーサービスから、事業内容を大きく変えて地方自治体向けのB2Gサービス提供に、ビジネスを大きく転換した理由は?

コーデュラ・ファンク氏(以下敬称略):コロナ禍以前から収益化が順調ではなかったのだが、コロナ禍によって売り上げが8割がた減少してしまったのが最初のがきっかけだ。

---:現在の御社のビジネスはどのような地域・規模で展開しているのか。

ファンク:現在17の自治体と提携してサービスを提供中で、さらに2地域が加わる予定だ。運用台数は全部で170台になる。

・オッフェンバッハ地区「Hopper - Kreisverkehrsgesellschaft Offenbach mbH(kvgOF)のモビリティサービス共同開発
・ライプツィヒ「Flexa」 - Leipziger Verkehrsbetriebe(LVB)との提携
・エッセン「Bussi」 - Ruhrbahnとの提携・ダルムシュタット・エッセンで「HeinerLiner」-HEAG mobiloとの提携
・タウヌスシュタインの「EMIL」 - Rheingau-Taunus-Verkehrsgesellschaft GmbH (RTV)との提携
・フランクフルトで「Knut」を開催 - traffiQとの提携
・ドーマゲンの「STADTBUSsi」 - Stadtbus Dormagen GmbHとの提携
・ザルツギッターとレーレで「flexo」 - Kraftverkehrsgesellschaft mbH Braunschweig (KVG Braunschweig) および Regionalverband Großraum Braunschweig (Regional Association of Greater Braunschweig) とのモビリティサービス共同開発
・アシャッフェンブルク市の「City-Shuttle」-Stadtwerke Aschaffenburg(STWAB)との提携
・ノイシュタットa.d. Donauの「KEXI」 - Landkreis Kelheimとの提携
・ローゼンハイムの「Rosi」-ローゼンハイム地区との提携
・ドレスデンで「MOBIshuttle」を開催 - Dresdner Verkehrsbetriebe (DVB) との提携
・ハナウの "mainer" - Hanauer Straßenbahn GmbH(HSB)とモビリティサービス共同開発
・カッセルの「Schaddel」 - Kasseler Verkehrsgesellschaft AG(KVG Kassel)とモビリティサービス共同開発

地方自治体がオンデマンドシャトルを導入する背景

---:地方自治体向けの事業がこれほどまでの規模に成長した理由は。ドイツの地方自治体ではオンデマンドシャトルを導入する動きが活発なのか。

ファンク:背景として、ドイツ全体が自動車と言うモビリティに大きく依存している状況がある。これまで、公共交通機関のインフラ整備は後手に回り、自動車道の整備などクルマのインフラ整備が先行していた。しかしカーボンニュートラルが状況を変えた。CO2排出量の30%は交通によるもので、うち72%はクルマ由来であり、それに対応する必要があるからだ。

そういった背景があり、地方自治体も近年では当社のサービスに強い興味を持ち始めた。オンデマンドバスの導入は比較的短期で、具体的には数ヶ月で導入できるため、主に郊外の、公共交通機関の導入が難しい地域で利用されている。ドイツでは郊外に行くと電車やバスの本数が少ないため、オンデマンド交通のニーズがもともとあった。もちろん、駅までのモビリティを確保する、という役割もある。


《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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