車載半導体の増産に向けて生産能力を拡大…日本TIのEV・HV戦略

アナログ・パワー製品担当 シニア・バイス・プレジデントのマーク・ゲイリー氏
アナログ・パワー製品担当 シニア・バイス・プレジデントのマーク・ゲイリー氏全 7 枚

米国の半導体メーカー、テキサス・インスツルメンツ(TI)の日本法人である日本テキサス・インスツルメンツは10月26日、東京本社にて記者説明会を開催し、同社のEV・ハイブリッド向け関連製品の戦略について説明した。

説明会には、同社アナログ・パワー製品担当 シニア・バイス・プレジデントのマーク・ゲイリー氏が登壇し、同社の取り組みについて説明した。

◆車載アナログ半導体の生産能力を大幅に強化

半導体不足によって、完成車の生産計画が世界的に大きく遅れている。これはおもに、車載向け半導体の供給不足が原因だと言われているが、このような状況がなかなか解消されない背景に、TSMCなどの半導体ファンドリーが、車載向け半導体の生産に積極的ではないことが挙げられる。

その理由として、スマートフォンやパソコンに使われる精細度の高い半導体(回路の精細度が28nm以下)向けに生産能力を割り当てていることや、旧世代の半導体(車載向けのこと。おもに40nm以上)に、敢えて今から投資する意義が薄い、などの理由がある。

しかし一方で、車載向けのアナログ半導体のニーズは今後もますます増えていく。EV/電動化や運転支援機能の拡充、インフォテインメントのリッチ化など、理由はいくつもある。

そのような状況のなか、TIはもともと車載向け半導体の製造を事業のひとつとしてきたが、今回、車載向け半導体の増産に向けた投資を進めていることをアピールした。


《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

+ 続きを読む

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  3. 「衝撃の価格」中国メーカーの大型3列シートSUVが話題に!「むしろ経営が心配」の声も
  4. 「復活まじうれし!」「全色欲しい」新型スズキ『GSX-R1000』発表に、SNSは話題沸騰!
  5. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る