スバル 中村社長「販売面では北米を中心に好調なモメンタムが継続している」

スバル・インプレッサ
スバル・インプレッサ全 3 枚

SUBARU(スバル)が11月2日に発表した2022年4~9月期の連結決算は、売上収益が前年同月比30.5%増の1兆7508億円、営業利益が同102.8%増の1104億円、純利益が同73.8%増の778億円と、大幅な増収増益だった。

◆半導体不足は依然としてリスク

「半導体供給不足による生産制約のリスクは依然として残り、上期も苦労したが、柔軟な生産計画の調整などにより生産台数を確保することができた。販売面では、北米を中心に好調なモメンタムが継続、さらに円安のプラス影響が加わったことで、前年に対し増益となり、期初に想定していたレベルの結果を残すことができた」と中村知美社長は上期決算を振り返る。

連結販売台数は前年同期に比べて2万3000台増の39万9000台。うち米国が2万6000台増の27万9000台だった。その他の地域については、日本が4000台増の4万9000台、カナダが7000台減の2万2000台、豪州が1000台増の1万8000台、欧州が1000台増の8000台、中国が2000台減の6000台となっている。

「米国については、今年に入ってすでに2回値上げをしており、さらに現在モデルイヤーの切り替えのタイミングで値上げできるところはしているが、米国のほうからは需要は非常に旺盛だと聞いている。こちらからの出荷台数は増えているが、直近の在庫が4万7000~8000台レベルで高止まりして、なかなかバックオーダー数が減らないというのが実態だ」と中村社長はうれしい悲鳴を上げる。

◆1円円安で102億円の増益

米国でのインセンティブ(販売奨励金)も、台当たり750ドルと前年同期に比べて150ドル減少している。そのうえ、円安という追い風も吹く。スバルは対ドルで1円円安になると、営業利益ベースで102億円の増益要因になる。この上期は為替影響で1027億円も押し上げた。

このような好業績を受けて、2023年3月期の通期業績見通しを上方修正。売上収益は前期比38.5%増の3兆8000億円と、従来予想を3000億円上回る過去最高を見込む。営業利益は3.3倍の3000億円と1000億円、当期純利益は3倍の2100億円と1000億円、それぞれ引き上げた。配当についても、中間配当と期末配当をそれぞれ38円と前期から10円ずつ引き上げ、年間配当は20円増の76円とする。

「生産台数については、不透明な状況は継続するものの、徐々に生産が回復しており、下期はコロナ前の水準である54万台レベルの生産にチャレンジする。しかし、第2四半期までの制約影響を完全には挽回しきれず、チャレンジ目標としていた100万台から97万台に修正する。それに伴い、連結販売台数についても94万台から92万台に修正する」と中村社長は話していた。

《山田清志》

アクセスランキング

  1. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  2. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  3. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  4. 新型『ムーヴ』『ステラ』のコーナリング性能を向上、ブリッツの車高調「DAMPER ZZ-R」シリーズ
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る