最新ストラーダ「F1シリーズ」の「レコーダーリンク」とは? 発売前にその機能を試してみた

2022年型ストラーダ「F1シリーズ」には「レコーダーリンク」を搭載した。写真は最上位のBlu-ray内蔵モデル「CN-F1X10BGD」
2022年型ストラーダ「F1シリーズ」には「レコーダーリンク」を搭載した。写真は最上位のBlu-ray内蔵モデル「CN-F1X10BGD」全 15 枚

パナソニック・オートモーティブシステムズ(以下:パナソニック)は11月1日、新たに自宅のレコーダーとリンクして録画番組や放送中の番組が楽しめる「レコーダーリンク」を搭載した、カーオーディオ/カーナビの新型、『ストラーダF1シリーズ』を発表した。その使い勝手をさっそく体験してきたので報告したい。

◆有機ELディスプレイを活かす高画質再生が最大のポイント

そもそもF1シリーズは、2021年秋にプラットフォームを一新したモデルチェンジを行っている。全モデルで地図を高精細なHD描画に対応した「HD美次元マップ」とし、地図表示も視認性を考慮した配色を用いる新デザインに機能アップした。中でも10型モデルは有機ELパネルのメリットを最大限に活かすリアルな再現性を特徴としていた。それだけに、今回発表された2022年型はそれをベースに新機能を追加した、いわば「熟成を深めた」(パナソニック) モデルとなる。

新たなラインナップは、10型HD有機ELディスプレイ&Blu-rayドライブ搭載の「CN-F1X10BGD」を筆頭に、DVD対応版の「CN-F1X10GD」、9型HD液晶ディスプレイ&DVDドライブ搭載の「CN-F1D9GD」、7型HD液晶ディスプレイ搭載の「CN-HA02WD」「CN-HA02D」、同特定販路向けの「CN-HE02WD」「CN-HE02D」の計7モデルとなる。

F1シリーズの最大の特徴であるフローティング構造「DYNABIGスイングディスプレイ」は、10型モデルと9型モデルに搭載。前後角度調整はもちろん、左右の首振り、上下奥行き調整が可能で、見やすいアングルに自在に変えられるのがポイントだ。また、取り付け部は2DINサイズとしているため、取り付け可能な車両はきわめて多く、2022年型は490車種以上にまで増加。これにより、10型~9型の大画面をより多くのクルマで楽しめるようになったことになる。

◆外出先から自宅のレコーダーにアクセス「レコーダーリンク」

ただ、ここまでなら2021年型と比べても変わった感じはしないだろう。では何が変わったのか。

最大のトピックは冒頭でも述べたように、自宅のレコーダーとリンクして録画番組や放送中の番組が楽しめる「レコーダーリンク」機能を搭載したことだ(※F1シリーズのみ)。これは専用アプリをインストールしたスマホを、カーナビとBluetooth(以下:BT)/Wi-Fi接続することで実現するもので、レコーダ側に録画してある番組をはじめ、地デジやBS/CS放送をリアルタイムで見ることが可能になる。すでにスマホのアプリなどで体験している人も少なくないと思うが、これをカーナビ上で実現したというわけだ。

この機能の使い方はとても簡単だ。まず「STEP1」として、自宅で専用アプリをスマホにインストール。そのアプリにレコーダーを登録し。次に車内に移動してBTとWi-Fiを接続してストラーダを登録する。次に「STEP2」では、スマホのアプリ上で登録したスマホとストラーダを接続するをタップしてONにする。これで接続作業は終了だ。なお、一度登録作業を終えていれば、次回以降はSTEP1を省略することができる。

登録が終了して、ストラーダの「レコーダーリンク」のアイコンをタップして、スマホのアプリ上でSTEP2をタップして少し待つと、ストラーダの画面には番組を保存したフォルダやTVチューナのタグが一覧で表示されるようになる。そこから見たい番組を選ぶと、自宅のレコーダーからの映像が届くのだ。

◆接続する過程でユーザーが迷わないよう設定方法に工夫

この機能を使うことによるメリットは、一つはTV番組を車内で見るためにレコーダー内の番組をディスクへコピーする必要がなくなることだ。この手間がなくなるメリットはきわめて大きいと言っていいだろう。次にポイントとなるのが、自宅のレコーダーで受信した番組が見られるため、放送エリアが異なる地域に出掛けても今まで通りの番組が見られることだ。しかもカーナビでは受信できないBS/CS放送までも見られるのだ。

この機能を搭載した経緯について企画担当者は「有機ELディスプレイの高画質を活かすための機能として、Blu-layに続く新機軸を打ち出したかった」と話す。確かに、今やTV放送はリアルタイムで見る人は減っているというし、映画にしてもスマホなどでストリーミングで見るのが当たり前になってきている。そんな中でレコーダーリンクの搭載は、高画質な有機ELディスプレイを備えるストラーダにとって自然な流れだったとも言える。

一方で、レコーダーリンクの搭載にあたっては苦労も多かったようだ。開発担当者によれば、「同じBTを使ってコントロールするNaviconやCarAV remote機能との干渉を防ぐため、ナビの通信部分で拡張処理を行うなどの対策に苦労した」と話す。また、操作系では「ユーザ操作の負担軽減のため、BT、Wi-Fiが接続されていない場合にはエラー表示とし、そこからナビのBT、Wi-Fi設定画面に遷移できるようにした」ことや「画質を変更できるようにして通信料への負担を少しでも軽減する配慮」する工夫もしたという。

◆無料地図更新期間は購入時からの“3年間”に変更

では、カーナビ機能での進化はどうか。前述したように大きな変更点はないが、地味ながら着実な進化も見られた。一つは交差点ガイドがより充実したことだ。交差点では今までもレーンガイドが行われるが、ルート案内時は2つ先の交差点までを表示するようになり、しかもそれは地図上のアイコンと同じ色のアイコンでガイドされる。一目でその交差点の情報が把握できるのだ。これがとてもわかりやすい。

無料地図更新期間もユーザーにとっては嬉しい変更が行われた。従来はいつ購入しても更新できる最後が同じ“3年分”としていたが、それを購入した時点からの“3年間”に変更されたのだ。3年という括りでは同じだけれども、従来は製品発売時からの3年分で、2022年型では製品購入時からの3年間になり、ユーザーにとってはより先まで最新の地図データに更新できるようになったわけだ。

「レコーダーリンク」によって、一段とエンタメ度を高めた2022年型ストラーダ。個人的には7型モデルにも対応して欲しかったが、このタイプになるとビジネス用途やカーナビ機能とTV放送/CDが楽しめれば十分という人がほとんどという事情があったようだ。とはいえ、昨年のモデルチェンジからさらに完成度を高めたのは間違いなく、特に大画面で多彩なエンタテイメントを楽しみたい人なら、ぜひチェックしておきたい一台と言えるだろう。

《会田肇》

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