西九州新幹線、佐賀空港ルートの技術的な精査へ…JRローカル線存廃は国の対応を検討 国交相会見

存廃問題でJRと地域との協議が難航している芸備線。
存廃問題でJRと地域との協議が難航している芸備線。全 3 枚

斉藤鉄夫国土交通大臣は11月4日に開かれた定例会見で、西九州新幹線新鳥栖~武雄温泉間とJRのローカル線問題について記者の質問に答えた。

西九州新幹線新鳥栖~武雄温泉間については、フル規格ありきで佐賀駅を経由するルートを容認しない佐賀県が長崎自動車道沿いの北回りルートと、南回りルート(佐賀空港ルート)を提案しているが、11月2日に開かれた与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム九州新幹線(西九州ルート)検討委員会(与党PT)の会合で新しく委員長に就任した森山裕衆議院議員が「佐賀空港を通るルートが技術的に可能かどうか調査するべきだ」と述べたという。

対して国土交通省は、佐賀空港ルートは佐賀駅ルートに比べて事業費が大幅に高騰する上に、超軟弱地盤で厳しい工事が予想されるとして「トンネル建設工事が技術的に可能か否か慎重な検討が必要である」と与党PTに報告。与党PTからは「技術的に施工可能かどうかできるだけ早く精査してもらいたい」という意見が出たことから、斉藤大臣は建設主体である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)に対して、佐賀空港ルートのさらなる調査・検討を指示したことを明らかにした。

西九州新幹線武雄温泉駅。同駅から新鳥栖駅にかけては佐賀駅経由のほかに、2つの新幹線ルートが俎上に載っている。西九州新幹線武雄温泉駅。同駅から新鳥栖駅にかけては佐賀駅経由のほかに、2つの新幹線ルートが俎上に載っている。

JRのローカル線問題については、11月2日に岡山市で開かれた芸備線利用促進検討会議で自治体側が存廃を含めた協議を行なわないとしたことを受けて、JR西日本が速やかな存廃協議を向けて国と相談する意向を示している。

斉藤大臣はこの問題について、存廃ありきではなく、地域の未来と利用者目線に沿った協議が必要と述べており、「芸備線についても双方の意向をしっかり聞きつつ、今後の国としての対応について検討してまいります」と述べている。

また、国土交通省では「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」と題した有識者会議から、広く自治体からの意見を受け入れ、広域的な調整が必要な場合は国を中心とした協議の場を設け、存廃いずれの結論に至った場合でも、国として、従来とは異なる実効性ある支援を実施するという提言を受けており、現在、制度面や予算面における具体的な検討を進めているという。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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