ボルボの新型EV『EX90』、「車輪の上に乗った高度なコンピュータ」に…2023年生産開始

車内の中核機能のほとんどを動かすコアシステム

最新のLiDARセンサーを採用

LiDARセンサーをルーフに組み込む

最大250m先の歩行者を検知可能

ボルボ EX90
ボルボ EX90全 10 枚

ボルボカーズ(Volvo Cars)は11月9日、ブランドの最上位電動SUV『EX90』を初公開した。2023年から、米国工場で生産する予定。EX90は、「車輪の上に乗った高度なコンピュータ」になるという。

写真:ボルボ EX90

◆車内の中核機能のほとんどを動かすコアシステム

安全システムとAI用の「NVIDIA DRIVE」プラットフォーム「Xavier」と「Orin」、クアルコム・テクノロジーズの「Snapdragon Cockpit Platforms」、そして、ボルボのエンジニアによる自社開発ソフトウェアを搭載したコアシステムは、安全システムやインフォテインメントからバッテリー管理まで、車内の中核機能のほとんどを動かしている。その結果、車内での応答性が高まり、より楽しい体験ができるようになったという。

ボルボEX90は単なる自動車ではなく、車輪の上に乗った高度なコンピュータ、と自負する。さらに、スマートフォンやノートパソコンと同じように、ボルボEX90は定期的な無線ソフトウェアアップデートによって、より良いものになるように設計されている。

Snapdragon Cockpit Platformsの最先端のコンピューティングパワーを、Epic Games社が開発し、世界最大のゲームのいくつかに使用されている3Dツール、Unreal Engineのビジュアライゼーション機能と組み合わせる。これにより、車載スクリーンとヘッドアップディスプレイに光速のコンピューティングパワーと高品質のグラフィックスを実現しているという。

◆最新のLiDARセンサーを採用

ボルボ EX90ボルボ EX90

ボルボEX90では、現在の市場で最も先進的なセンサーセットのひとつを搭載する。それは8台のカメラ、5台のレーダー、16個の超音波センサー、そして最新のLiDARセンサーから構成されるボルボカーズ独自のものになる。

LiDARとは、Light Detection and Rangingの略だ。パルスレーザーの光を利用して、より正確な距離を測定するセンシング手法のひとつになる。ボルボカーズによると、LiDARが現実の生活にもたらす安全性の向上には、目覚しいものがあるという。

最近のボルボカーズの調査では、LiDARを搭載することにより、重大な事故を最大20%削減でき、衝突回避率を最大9%向上させることが可能と分かった。これは、ボルボカーズの交通事故データベースに基づく数値シミュレーションによる結果だ。

◆LiDARセンサーをルーフに組み込む

ボルボ EX90ボルボ EX90

EX90では、車両周囲のデータを収集するために、LiDARセンサーはルーフに組み込まれる。LiDARセンサーから得られた情報は、継続的かつ迅速に車両の改良を行い、安全性を向上させるために利用される。

また、EX90では、業界をリードする安全技術が標準装備され、自動車の安全性に新たな基準を設けることで、より多くの人命を救うことができる、と自負する。ルミナーが開発したLiDARを含むセンサーと、エヌビディアの「NVIDIA DRIVE Orin」システム・オン・チップを搭載した自動運転用コンピュータを標準装備する。

この新しいハードウェアと、ボルボカーズ、「Zenseact」、ルミナーによる次世代の衝突回避技術向けソフトウェアを組み合わせることにより、新しい安全パッケージが死亡重症事故のみならず、事故そのものを減らせるという。

◆最大250m先の歩行者を検知可能

今後のボルボ車に標準装備されていくLiDARテクノロジーは、最大250m先の歩行者や120m先の黒い道路上のタイヤのような小さくて暗いものを検出することができる。これは、高速道路を走行しながらでも検知することが可能。しかも、カメラのように光に依存しないため、昼間でも夜間でも物体を検出することができる。

先進のセンサーと自社開発のソフトウェア、車両のコアコンピューティングパワーを組み合わせることで、安全性が確保された冗長性が高くなる。ボルボカーズは、車外と車内の両方で、これまで以上に多くの潜在的な危険を検知できることを目指している。

また、ドライバーに介入してサポートするだけでなく、いつ、どのような場合にどのような方法で介入するのが最適かを、よりよく理解することも可能になる。ボルボカーズでは、コアコンピューティングとソフトウェアによるLiDARの活用により、重大事故が最大20%減少するという。

《森脇稔》

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