台風で被災した大井川鐵道本線、金谷-家山間が再開…『SLかわね路号』も13か月ぶり 12月16日

晴れて再開後の『SLかわね路号』牽引を務めるC10 8。C10形は1930年に23両が製造されたタンク式蒸気機関車だが、残るは1997年に復活した大井川鐵道の8号機のみとなっている。
晴れて再開後の『SLかわね路号』牽引を務めるC10 8。C10形は1930年に23両が製造されたタンク式蒸気機関車だが、残るは1997年に復活した大井川鐵道の8号機のみとなっている。全 5 枚

静岡県の大井川鐵道は11月14日、8月の台風15号による被災で運行を見合わせている大井川本線・金谷~千頭(せんず)間のうち、金谷~家山間を12月16日に再開すると発表した。

被災により大井川本線では9月24日から全線でバスによる代行輸送が行なわれているが、金谷~家山間の再開時は2021年11月の運行を最後に運休していた『SLかわね路号』も再開する。

再開後の『SLかわね路号』の時刻は、新金谷11時52分発~家山12時20分着・12時52分発~新金谷13時19分着で、新金谷発の1号は家山駅(静岡県島田市)で千頭方面への予約制の専用急行バス『かわね路リレー号』に接続。奥大井や井川線方面のSLによる観光ルートが確保される。

牽引機はC10形蒸気機関車8号機(C10 8)となるが、折返しの家山駅には転車台がないため上り列車の一部は逆機で運行される。『SLかわね路号』の逆機運行は2011年に新金谷駅(静岡県島田市)に転車台が設けられてからはイベント列車以外で行なわれていなかったため、定期運行としては11年ぶりのこととなる。

C10 8が逆機で牽く大井川鐵道のSL列車。再開に合わせて、機関車直後の車両の席を確約する特別プランを11月19日から大井川鐵道のウェブサイトで受け付ける。実施日は12月16~19・23~31日、2023年1月1~3・6~9日で、旅行代金は6500円(1人で参加する場合)。C10 8が逆機で牽く大井川鐵道のSL列車。再開に合わせて、機関車直後の車両の席を確約する特別プランを11月19日から大井川鐵道のウェブサイトで受け付ける。実施日は12月16~19・23~31日、2023年1月1~3・6~9日で、旅行代金は6500円(1人で参加する場合)。

なお、一般の家山~千頭間代行バスについては、現行の1日4往復を列車本数相当の1日9本とするほか、朝時間帯に金谷~家山間で1往復運行されていた普通列車を平日のみの運行とする。

残る家山~千頭間については依然、再開の見込みが立っていないが、大井川鐵道では「引き続き関係機関と緊密な協議を続けながら進めて参ります」としている。

運用開始を待つ大井川鐵道のC10 8。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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