[低音強化・実践レクチャー]サブウーファーから聴こえてくる音は何の音?

「サブウーファー」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:ジパング<鳥取県>)。
「サブウーファー」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:ジパング<鳥取県>)。全 6 枚

カーオーディオでは、超低音再生を担うスペシャルスピーカー、「サブウーファー」が活躍する。当特集ではそうである理由からこの活用法までを全方位的に解説していこうと試みている。今回は当スピーカーから聴こえてくる音の中身を紹介する。

【画像全6枚】

◆「サブウーファー」が担当する音域は、最低音から2オクターブ程度!

まずは、「サブウーファー」が担当する音域について説明しよう。人間の可聴帯域は大体20Hzから20kHzまででこれは音域でいうと約10オクターブ分に相当するのだが、Hi-Fiシステムで「サブウーファー」が担当するのはそのうちの20Hzから60Hzあたりまで、あるいは広めに担当させる場合でも80Hzあたりまでであることが多い。つまり広めに設定される場合でも音域的には2オクターブ分程度、ということになる。

ただし実際は、設定した音域より高い音も多少は聴こえてくる。なぜならば、再生範囲の役割分担をさせる機能である「クロスオーバー」をかける際、例えば60Hzでスパッと音がカットされるわけではないからだ。カットラインを60Hzと設定した場合にも、そこから上の音は音域が高くなるにつれて緩やかに音量が減衰していくものの、ある程度は聴こえてくる。ただ、フルボリュームで鳴らされるのは60Hzから80Hzあたりまで、ということとなる。

「サブウーファー」を搭載したオーディオカーの一例(モレル・デモカー)。「サブウーファー」を搭載したオーディオカーの一例(モレル・デモカー)。

◆「サブウーファー」に超低音再生だけを担当させるのはなぜ?

ところで、「サブウーファー」の鳴らす範囲を決めなくてはならない理由は何なのかと言うと…。

理由は主には2つある。まず1つ目は「ステレオイメージの再現性を高めるため」だ。もしも担当範囲を決めずにフルレンジの信号を「サブウーファー」と「ミッドウーファー(ドアスピーカー)」の両方に入力すると、超低音からある程度の中音までが「サブウーファー」と「ミッドウーファー」の両方から聴こえてくる。

そうであると音の出どころが分かりやすくなり音がスピーカーから鳴っている感が強くなるので、目前でサウンドステージが展開しにくくなる。しかし役割分割をさせると、スピーカーの存在感が消えやすくなる。結果、超低音から高音までの一体感が高まりサウンドの立体感の再現性も良化する。

そして役割分担をさせるもう1つの理由は、「負担を減らすため」だ。「サブウーファー」は振動板の口径が大きく超低音の再生は得意だが、中音以上の再生は苦手だ。その得意ではない音までを鳴らさせようとすると負担が増え、超低音の質に悪い影響が出る。また、「サブウーファー」から濁った中音が聴こえてくる。しかし「サブウーファー」に送る音楽信号の中音以上をカットすれば、これら弊害が起きなくなるのだ。

「単体サブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-W312S4)。「単体サブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-W312S4)。

◆「サブウーファー」から聴こえてくる楽器の音は、案外限定的!?

では、「サブウーファー」から聴こえてくる音の中身について説明していこう。ここでは「サブウーファー」の再生範囲を80Hzあたりに設定した場合に考えて幾。まずは「低音打楽器」の音が聴こえてくる。低音打楽器はさまざまあるが、ポピュラー音楽ではドラムスのバスドラムがそれに当たる。ちなみにバスドラムの音の主な成分は大体、60Hzくらいから100Hzあたりまでだ。

またポピュラー音楽では、4弦エレキベースの音もある程度は「サブウーファー」から聴こえてくる。ちなみに当楽器の最低音は41.2Hzなので、「サブウーファー」の再生担当範囲が80Hzまでの場合には概ね1オクターブ分が「サブウーファー」から聴こえてくる。

さらにはピアノの音も、楽曲によっては「サブウーファー」からも聴こえてくる。というのもピアノは7オクターブ以上の範囲の音を奏でられる。で、88鍵のピアノの最低音はラの音で、その周波数は27.5Hzだ。そしてそこから1オクターブ半ほど上がったミの音(約82Hz)あたりまでが「サブウーファー」にて鳴らされる。

そしてこれらに加えて、「サブウーファー」からは録音現場の残響音が聴こえてくる。空間での残響音は音域が高い音ほど早くに減衰し、最後まで残るのは超低音だ。「サブウーファー」はその最後まで残る空間音を再生し、録音現場の空気感を再現するのだ。

今回は以上だ。次回からは、「低音増強」を果たすための具体的な方法について説明していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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