ホンダ元社長の久米是志さんのお別れの会、「取っつきにくいが人情味あふれる根っからのクルマ好き」[新聞ウォッチ]

ホンダ元社長の久米是志さんのお別れの会
ホンダ元社長の久米是志さんのお別れの会全 9 枚

1954年、黎明期の本田技研工業(ホンダ)に入社し、創業者の本田宗一郎氏から薫陶受けた3代目社長で、今年9月11日、満90歳で亡くなった久米是志さんの「お別れの会」が11月16日、東京・港区のオークラ東京「平安の間」で行われた。

日本商工会議所前会頭の三村明夫日本製鉄名誉会長や自民党の甘利明前幹事長ら政財界首脳のほか、故人と親交のあったホンダOBの関係者らが訪れて、サーキットをイメージする青と白の花の囲まれた久米さんの遺影の前で献花を行い、最後の別れを惜しんだ。

時節柄、新型コロナ感染防止のため、マスク着用と飲食の提供は控えられたが、会場には入社後、最初に配属された埼玉製作所の技術部エンジン設計課での当時の写真パネルや、そこで久米さんがエンジンを設計したマン島TTレースに出場したオートバイをはじめ、1964年、悲願のF1レースに初参戦したが、F2へもエンジンサプライヤーとしてブラバムチームとともに参戦し、11連勝の偉業を達成するなど、そのレースマシンや低公害エンジンCVCC搭載の『シビック』など、生前の故人をしのぶ展示コーナーが設けられた。

◆学生時代はアルバイトに明け暮れる

現役時代の久米さんをよく知る70代のOBは「風貌からは取っつきにくく、寡黙で仕事には厳しく怖い存在だったが、長くお付き合いしていると人情味あふれる優しい先輩でもあった」と振り返る。

私自身も、久米さんが1983年に社長就任直後、当時は原宿駅の明治通り沿いのビルでよく取材で話を聞いたが、強く印象に残っていたのは中学時代に父親を病気で亡くし、浜松での学生時代はアルバイトに明け暮れていたというエピソード。牛乳配達からオート三輪運転手、選挙運動員、町工場の工員と数限りないが、中でも、ライラック号で知られる丸正自動車製作所でも図面書きまで手伝ったそうだ。「子供のころから機械いじりが大好きだった」とも。

また、趣味を聞くと「魚釣りも好きだが、かかった魚は人に外してもらう“殿様釣り”で趣味と言えない。やっぱり自動車メーカーにいて当たり前だが、クルマ好き」と照れ笑い。目的地を決めずに気の向くままハンドルを操作して一日中乗り回す。「もちろん、一人だけでね」と、根っからの“孤独のドライブ”だった。改めて、ご冥福をお祈りする。

2022年11月17日付

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《福田俊之》

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